ハワイ州観光局(Hawaii Tourism Authority:HTA)は、ラハイナの8月8日(火)の山火事後、マウイ島と州の経済再建のための観光復興計画を策定する請負業者を募集しているとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
山火事が発生する前、HTAの最重要課題のひとつは、地域社会の経済的ニーズを満たしながらも生活の質に悪影響を及ぼさないよう、観光のバランスをとる方法を見つけることだった。他のハワイ諸島よりも経済的に観光業に依存しているマウイ島では、ラハイナでの火災によってコミュニティ間の緊張が高まって以来、その調整を見いだすことがより重要になっている。
ラハイナ火災によって約2000棟の家屋が焼失し、少なくとも97人が死亡した。あまりの悲惨さに、住民の中には、火災以来、西マウイに観光客を迎え入れることを渋る者もいる。ジョシュ・グリーン州知事に対し、10月8日(日)に西マウイ島を観光地として再開する計画を延期するよう求める、行動ネットワーク「ラハイナ・ストロング」の嘆願書に4700人以上が署名している。
嘆願書では、観光再開の前に、労働者階級のラハイナ住民のニーズとすり合わせ、優先順位をつけることが不可欠であるとし、「再開を遅らせることで、西マウイのすべての住民と旅行者の福祉と幸福を考慮した、より複合的で包括的なアプローチが可能になる」と主張している。
しかし、この火災は経済的にも大きな打撃を与えている。ハワイ大学エコ・ノミック・リサーチ・オーガニゼーションは、8月31日(木)付けの報告書で、火災直後の旅行者が4分の3減ったことによる収入減を、1日あたり1300万ドルと見積もっている。何千人ものマウイ島民が失業保険の申請を余儀なくされたが、労働者や雇用主の多くは、観光業が安定した雇用を支える水準に戻ることを望んでいる。
HTAの入札募集(IFB 24-05)が、戦略的プランニングと経済開発、特に観光とファシリテーションの分野で実績のある適格な応募者を求めているのは、この対照的な見解が理由だ。HTAによると、選ばれた請負業者は、マウイ島復興活動のためにHTA理事会が新たに結成した「災害対応許可交流グループ」をサポートするサービスを提供することになる。また、「HTAスタッフによるメッセージ戦略、観光復興計画、今後の計画のための重要な学習と提言」の策定もサポートする予定となっている。
HTA理事会による観光復興プランの策定は、11月中旬まで実施されるマウイ島マーケティング復興プランに加えて行われる。HTAの長年の米国観光契約業者であるハワイ・ビジターズ・アンド・コンベンション・ビューロ(Hawaii Visitors and Convention Bureau)がこの260万ドルの計画を実行する。この計画では、一部のセグメントで地元の声を活用し、「意識の高い」旅行者をマウイ島に呼び戻すことを目的としている。
入札への応募締め切りは27日(水)まで。作業は10月2日に開始され、12月1日に終了予定となっている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.9.19)