州議員の贈収賄事件で中心的役割を果たした経営者のミルトン・チョイ被告が15日、贈収賄で米連邦検察局に起訴されたとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
元マウイ郡下水道職員のスチュワート・スタント被告も収賄の罪で起訴された。スタント被告は今年1月に辞職している。
チョイ被告は、スタント被告が郡の環境管理部長だった当時、約200万ドル(2億9千万円)の賄賂を支払った。クレア・コナーズ連邦検事によると、チョイ被告はこのほかにも当局者らへの贈賄を行い、郡から多くの仕事を委託されていたという。
不審に思った関係者の報告により検察が調査を開始し、今回の起訴に至った。
チョイ被告は、元州上院議員のJ・カラニ・イングリッシュ被告と同元下院議員のタイ・カレン被告にも賄賂を支払っており、2人の被告には有罪判決が言い渡された。
コナーズ連邦検事によると、2人の元議員の贈収賄事件発覚後、連邦捜査官らは他の州議員や公務員の金銭に関する洗い出しを行っていた。
16日に裁判所が公開した起訴状によると、チョイ被告が行った非入札形式によるマウイ郡との取引金額は、ハワイの贈収賄事件史上最高の数百万ドルに上る。
マウイ郡の記録によると、2012年以降、同被告が経営する会社は、約2千万ドル(29億円)の非入札契約50件以上を郡から委託されている。
同被告とスタント被告は、19日に連邦裁判所に出廷する見込み。スタント被告には最高で懲役20年、チョイ被告には最高で15年の刑が言い渡される可能性がある。また、連邦当局は、スタント被告に200万ドル、チョイ被告に1500万ドルの罰金を支払うよう求める方針だ。
FBIホノルル現地事務所のスティーブン・B・メリル特別捜査官は、「公務員らの汚職は、公共機関に対する信頼を損なうため、重要な優先事項だ」と述べた。
マウイ郡のマイク・ビクトリーノ郡長室の広報担当者は、「連邦政府が提出した書類に含まれるすべての告訴は、ビクトリーノ政権以前に発生した事案であり、いずれの件についても郡長との関わりはない」としている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.9.16)