環境保護グループがホテルを提訴 マウイ島
8月15日、環境保護グループがマウイ島にあるグランド・ワイレア・リゾートに対して、絶滅保護種保全法違反で提訴する意思があることを表明したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ホテルの明るい夜間照明が絶滅危惧種の海鳥に対する危害となっているとし、60日以内に改善されない場合には連邦裁判所に提訴すると通達したという。
提訴すると伝えたのはハワイ保全カウンシル(Conservation Council for Hawaii)と生物学的多様性センター(Center for Biological Diversity)で、環境保護を専門とするアース・ジャスティスという法律事務所が代理人を務めている。
グループによると、グランド・ワイレアの明るい夜間照明によって、絶滅危惧種であるハワイシロハラミズナギドリ(ハワイアン・ペトレル)が繁殖の場である巣から海へ飛ぶことができなくなっているという。
海鳥は通常月光を頼りに海へ向かって飛ぶが、ホテルの照明を月光と混同して飛ぶ方向がわからなくなってしまい、飛び続けた結果疲労して地面に落ちたり建物にぶつかったりしているという。
海鳥は一度地面に着地すると再び飛び立つことが困難となり、他の動物の餌食になったり、餓死、あるいは車に引かれて死んでしまうこともある。
マウイ島内には夜間照明をしているホテルが複数あるが、40エーカーの敷地を持つグランド・ワイレアの夜間照明は際立っており、海鳥に対する大きな危害となっているという。
アース・ジャスティスは以前にも同様の提訴をカウアイ島のセント・レジス・プリンスヴィル・リゾート(現在はホテル・ハナレイ・ベイ)に対して行っており、2010年にホテル側が夜間照明を暗くし光を遮断することと、絶滅危惧種の海鳥を保護するためのプログラムに資金提供することで和解が成立した。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.09.16)
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