州最高裁判所は8日、カリヒ地区で2019年、少年(当時16)を殺害した容疑で刑事起訴されていたリチャード・オブレロ容疑者に対し、起訴取り消しの判決を下した。
最高裁が「大陪審の起訴状なしで容疑者を起訴することは違法」と断じた結果の判決だった。
事件の被害者は、容疑者宅に押し入った4人の少年のうちの1人で、オアフ大陪審は容疑者の起訴を拒否していた。判決が今後、州の刑事司法制度や保留中の重大事件に大きな影響を及ぼすことが懸念されていたが、現実のものとなりそうだ。
ハワイ・ニュース・ナウの報道によると、先の判決により検察は、現在オアフ島で重大犯罪により刑事起訴されている容疑者160人全員を、大陪審に委ねなければならない。
ホノルル警察署のジョン・マッカーシー元副署長は、「これは、検察局、裁判所、警察、証人など全ての関係者にとって悪夢だ。つまり、ほぼ不可能ということだ」と語った。
検察は、「現在保留中の事件の多くが重大犯罪によるもので、大陪審の採決による容疑者の起訴の遅れは、公共の安全を危険にさらす可能性がある」とした上で、州議会に、刑事告訴の権限を維持するための新しい法律を可決するよう求めている。
裁判所によると、今月からオアフ島を含めた主要各島の大陪審が約35%増員される予定。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.9.15)