州最高裁判所は8日、カリヒ地区で2019年11月、スタースキー・ウィリーさん(当時16)を殺害したリチャード・オブレロ容疑者に対する起訴取り消しの判決を下した。この判決は、州の刑事司法制度や保留中の重大事件に大きな影響を与える可能性があるとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
事件当時、被害者のウィリーさんを含む十代の4人がオブレロ容疑者宅に押し入り、BBガンやエアソフトガンを乱射した。同容疑者は、銃で撃ったのは自己防衛のためと主張していた。
検察側は、オアフ大陪審が起訴しなかったことを受け、オブレロ容疑者を殺人罪で刑事告訴していた。6日の法廷で最高裁判所は、検察側が行った一連のプロセスを否定した上で、「すべての重大犯罪は大陪審によって起訴されなければならない」と述べた。
オブレロ容疑者の弁護士、トーマス・オオタケ氏は、「依頼人は非常に安堵している。事件は彼が家を守った結果として起きた悲劇だった。今回の判決で、検察官に与えられている強大な権限に制限が加えられた。検察は、刑事告訴のプロセスを今回のように使用すべきではない」と語った。
一部の検察官らは、現在数百人もの容疑者が起訴されているため、「クラスA、Bの重罪事件が大陪審に委ねられることで法廷システムに混乱が生じている」と考えている。ハワイ郡のケルデン・ウォルジェン検察官は、ハワイ・ニュース・ナウの取材に次のように話した。
「被害者、地域や公共の安全に対する懸念、これらすべてを考慮する必要がある。パンデミック前のオアフ大陪審の会合は週3回だったが、現在は週2日。大陪審の人数も減っている。ハワイ島のハワイ大陪審の会合は現在、ヒロで月2 回、コナでは月1 回に制限されている」
ホノルル郡のスティーブ・アルム検察官は、「不当な制限を生み出す決定に失望した。この判決は暴力的で危険な犯罪者の起訴を遅らせ、公共の安全に脅威をもたらす」と述べた。被告側代理人のマイルズ・ブレイナー弁護士は、「この判決により検察官は、多くの訴訟の取り下げや、他の訴訟における別の司法取引の提案を余儀なくされることになる」と述べた。
検察局は、重大犯罪の容疑者起訴ための訴状の利用方法を明確にする新しい法律を州議会に提出する予定だという。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.9.9)