ハイク階段の撤去 市議会が可決
オアフ島の絶景スポットとしてインスタグラムなどで話題のスポットとなっていたハイク階段(ハイク・ステアーズ)は別名「天国への階段」とも呼ばれているが、現在ではホノルル市の管理のもと侵入禁止となっており、ハイキングは違法行為として逮捕者も出ている状況だ。
ハイク階段は50年以上経過した古い金属の階段で、元は第2次世界大戦中に無線電信装置へ到達するためにかけられた木製の階段を、1950年代に米国海軍が金属製階段に置き換えたものである。
その後1975年には沿岸警備隊が引き継いで、記名と免責書類に署名することで一般にも公開されたが、1987年に何者かが階段の一部を破損したために安全性の問題から法的に侵入禁止となっている。
しかし、侵入禁止となっているにもかかわらず、階段に登るハイカーは後を立たず、土地の管理をしているホノルル水道局(BWS)は年間25万ドルを支払って警備を依頼しており、2017年以降1万人以上が警備員によって追い返されたという。
ホノルル市議会で階段の存続に関する採決が8日に行われ、全会一致でハイク階段の撤去を可決したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
しかし、ラディアント・コーデロ議員、ブランドン・エレファンテ議員、オージー・トゥルバ議員、アンドリア・トゥポラ議員の4名は採決の保留を表明している。
ハイク階段を存続させるか撤去するかについての問題は数年にわたって議論が繰り返されている。
カーク・コールドウェル前ホノルル市長が修復計画を昨年発表したが、登り口が住宅地の中にあるために、いまだに住宅の庭に不法侵入したり、家の前に駐車したり、ゴミを捨てていくなどの問題が起こっており、近隣住人は強く反対していた。
近隣住民たちが何十年にもわたって暴力や私有地への不法侵入、盗難などに脅かされてきていると声を上げている一方、存続を求める人々もいる。
ハイク階段の存続を求める非営利団体フレンズ・オブ・ハイク・ステアーズは、階段への別の登り口を建設して管理するための詳細で包括的な計画があれば、ハイク階段を再開することができると訴えていた。
しかし、ハイク階段への登り口を新しく建設するためには、周囲の土地の複数の所有者の合意が必要なために現実的に困難だとみなされた。
この決議には強制権はないが、階段の撤去費用として100万ドルを市の予算に入れているため、最終判断はリック・ブランジャルディ市長に一任されることになる。
写真:Shutterstock
(日刊サン 2021.09.09)
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