オアフ島の戸建て住宅販売価格中央値、史上初の100万ドル突破
ホノルル不動産委員会が7日に発表したデータによると、オアフ島の戸建て住宅について、月間平均販売価格の中央値が8月に105万ドル(約1億1,600万円)に達し、史上初の100万ドル超えを記録した。昨年同月の中央値は83万9,000ドル(9,300万円)を25%上回る数字となった。
また、今年1月から8月までの8か月間の月間中央値は96万ドル(1億600万円)で、昨年同時期の79万9,000ドル(8800万円)から20%上昇した。月別では、1月に88万3,000ドル(9,700万円)、2月に91万7,500ドル(1億円)、3月に95万ドル(1億500万円)、5月に97万8,000ドル(1億700万円)、6月に97万9,000ドル(1億800万円)、7月に99万2,500ドル(1億900万円)と、今年に入ってから4月を除いた全ての月で中央値が上昇を続けていた。
消費者にとっては衝撃的な数字だが、今年始めから住宅販売価格が持続的な上昇を続けていたことから、不動産業界関係者やオブザーバーは今回の中央値に達することを予測していたようだ。証券会社ロケーションCEOのジェイソン・ラッツェリーニ氏は、8月の報告書の中で「オアフ島の住宅市場の状況は、戸建て住宅の販売価格の中央値が間もなく100万ドルに達することを間示し続けていた」と述べた。
ホノルルに本社を置く不動産仲介会社、ラグジュアリー・ホームズ・インターナショナルが主催した6月のオンラインイベントで、経済評論家のポール・ブリューベーカー氏は「今年の住宅市場が示す数字の背景には『不動産バブルが来たのではないか』と考えた人々が住宅を購入したということがあり、現在の価格の高騰は間違いなく『気紛れ』だ。一時的なものであり、不動産バブルではない」と意見を述べた。
住宅全体の販売率については、昨年は戸建て住宅が2%増加した一方、コンドミニアムが13%減少したことから、住宅需要は低調だった。しかし、今年始めから8月にかけての月間平均販売率は、戸建て住宅が27%増加し、コンドミニアムは68%増加した。また、8月の月間戸建て住宅の販売戸数は425戸で、前年の370戸から15%増加した。同じ時期のコンドミニアムの販売件数は675件で、前年の409件から65%増加した。
コンドミニアムの販売価格は、今年8月の販売中央値が50万ドル(5,500万円)で、昨年同月の43万ドル(4,700万円)を16%上回った。また、今年8月までの販売価格の月間平均中央値は46万5,000(5,100万円)ドルで、昨年同時期の43万ドル(4,700万円)から8%上昇した。
コンドミニアムの販売率が上昇したことについて、ブリューベーカー氏は「バケーションレンタルの法改正や観光業界の低迷によりコンドミニアムに空き部屋が増え、多くが売りに出されたことが原因で、価格はそれほど上昇していない」と説明した。
写真:Shutterstock
(日刊サン 2021.09.08)
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