新型コロナの新しい変異株「ミュー株」ハワイでも確認
ミュー株とは、新型コロナウィルスの新しい変異株の一種で、ワクチンで得られた免疫の働きが下がって効かなくなるという報告があるとされており、アメリカ国内ではほとんど全ての州で感染が確認されているが、ハワイ州内でも確認されているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ミュー株は世界保健機関(WHO)によって「注目すべき変異株」に位置付けられており、アンソニー・ファウチ博士も「注意深く観察している」と述べている。
しかしハワイの地元専門家たちは、現時点で特に脅威とは考えていないという。
ハワイ州内で今までに確認されているミュー株は39件あり、サンプルのおよそ1%にあたっているが、州内に拡大している感染はデルタ変異株が圧倒的で、ほとんど感染の全てを占めている状態だ。
ハワイ州衛生局の疫病担当であるサラ・ケンブル氏によると、ハワイ州内で確認されたミュー株は6月に感染したケースがほとんどで、それ以降感染は広がっていないという。
米国疾病予防管理センター(CDC)はミュー株を「懸念される変異株」とみなしておらず、ハワイ州が隔週発表している変異株報告においても、現時点での感染はない。
「この新しい変異株は、その特性が脅威となるというより、今のデルタ株を超えて蔓延し始めることが脅威となるのです。現時点ではデルタ株による新型コロナウィルス感染者数は州内の95%を超えています。今の感染はデルタ株で拡大しており、ミュー株ではありません」
感染病の専門家であるティム・ブラウン氏も、ミュー株に関しては世界的に見ても、感染者数は減少傾向にあり、特にミュー株に関して心配はしていないという。
「今はデルタ株による感染が危機的状況です。(ミュー株だけでなく)今後も新しい変異株が出てくる可能性はありますが、今の時点ではわかっていません」
ハワイ州では7月から感染が大幅に拡大しており、医療機関では病床数が逼迫し酸素吸入器も不足が懸念されている。
ハワイ州衛生局の発表によると、9月7日の新規感染者数は499件だ。
1週間平均では1日706件の新規感染となり、前週の891件から減少しているものの高い数値で移行している。
昨日のコロナ感染による入院者数は473人で、先週金曜の436人から大きく増加している。
写真:Shutterstock
(日刊サン 2021.09.08)
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