大規模な山火事災害によって壊滅的な被害を受けたマウイ島では、家族や財産を失った何百もの家族や個人がいるが、感情的な混乱を抱えている被災者のもとをセラピードッグが訪問し、活躍しているとKHON2が伝えている。
犬は忠実で愛情深く、他の動物では決して得られない安らぎを与えてくれる。そして、身体的、感情的、心理的なトラウマを緩和するのに役立つという研究結果もある。
マウイ島を拠点とする非営利団体のアシスタンス・ドッグズ・オブ・ハワイ(ADH)は、被災地の混乱の中でメンタルヘルス・サービスを見つけるのが困難な中、全米のセラピードッグ機関と協力し、被災者にセラピードッグを届けている。
ADHの事務局長であるマウリーン・マウラー氏は、「セラピードッグ・チームは、緊急避難所、消防署、警察署、援助活動家を訪問している。犬はすべて、ラブラドールとゴールデン・レトリバーで、生後5カ月から8歳までいる。中には、障害者のための介助犬になるための訓練プログラムに参加している子犬もいる」と説明する。
ADHの施設は、火災が発生した場所からそれほど遠くない、マウイ島の内陸部に位置している。犬たちを含む全員がキヘイにあるマウラー氏の自宅に避難し、この事態を乗り切った。施設は無人のままで、強風による被害は受けたが、火災による被害はなかったという。
AHDのマネージャーの一人であるマーシャ・サーバー氏は、避難生活の間、緊急避難所にいる何百人もの人々を訪問している。
「私が一番好きなのは、子どもたちが犬たちを見て顔を輝かせるのを見ることだ。彼らの多くは犬たちの名前を知っていて、毎日会うのを楽しみにしている。人々の笑顔を見るだけで、とてもやりがいを感じる」とサーバー氏は語る。
マウラー氏は、「犬たちは自分の仕事が大好きで、訪問を楽しんでいる。犬たちが疲れないよう、十分な休憩を取らせることを心がけている。私たちは長期的にこのサービスを続けていきたいと考えている」と語る。
現在、連邦政府や州からの援助もあり、被災者がホテルや別の施設に移り始めているため、避難所の被災者の数は減ってきている。
当初セラピードッグ・チームはマウイ島中央部の緊急避難所を訪問していたが、先週、チームはラハイナ近郊のホテルに避難している家族を訪ねた。
来週からは、セラピードッグ・チームの数が倍増し、小学校や高校の生徒たちを訪問する予定だという。
なおADHは、普段は運動能力の限られた介助犬を訓練しているが、危機対応プログラムのみに集中するため、現在は訓練を一時中断している。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.8.23)