ハワイアン航空 アフガニスタンからの退避支援に参加
22日、米国国防総省はアフガニスタンの首都カブールにある国際空港から退避しようとしている人々を支援するために民間旅客機を18機利用することを発表したが、その内の2機はハワイアン航空が提供することになっているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ハワイアン空港の上席副社長兼最高執行責任者(COO)であるジョン・スヌーク氏は「私たちは米国国防総省とその他の航空会社と協力して、アメリカ市民と支援を必要としているアフガニスタンの人々をアメリカ合衆国に退避させるという人道的支援に参加できることを誇りに思います。ここ数日間、カブールから逃げ出そうとしている人々の悲惨な様子をみてきました。私たちは航空会社としての役割を果たす準備ができています」と述べている。
ハワイアン航空の278人乗りエアバスA330を利用しての支援活動の開始日についてはまだ決定していない。
「乗組員と2機のエアバスA330はアフガニスタンからの退避を支援するために、その地域にある安全な基地及び空港に一時的に配備されることになっています。私たちは直接アフガニスタンには飛びませんが、軍用機がカブール内外での作戦に集中できるように、地域の安全な空港からアメリカ合衆国へ避難民を輸送する任務を担うことになっています。この重要な使命を担う我々のチームと乗組員に感謝します」
国防総省の発表によると、今回の退避活動では、アメリカ市民、特別難民ビザの申請者、その他の危険な目に遭っている個人をアフガニスタンから退避させるとしている。
国防総省が航空会社の飛行機を予備航空機として利用することは国家緊急事態準備プログラムによって定められており、国防総省のロイド・オースティン長官が「ステージ1」を発令したことにより今回の民間機利用が決定された。
アメリカン航空、アトラス・エア、デルタ航空、オムニ・エアからはそれぞれ3機、ハワイアン航空からは2機、ユナイテッド航空からは4機が活動に参加することになっている。
バイデン大統領は22日に行われたホワイトハウスでの会見で、8月31日の期日を超えても退避活動を続ける可能性について軍関係者と話し合いを続けていると述べている。
国防総省が民間機を予備航空機として利用する今回の決定は、1990年から91年の湾岸戦争、2002年から03年のイラク戦争に続いて史上3度目のことで、現在のアフガニスタンの状況の深刻さを物語っているとされる。
ハワイのアメリカ軍基地にあるC17貨物運搬機とKC135給油タンカーも、アフガニスタンからの退避活動に参加する可能性があるという。
2017年にはハワイからタンカー3隻とその乗組員が任務に赴き、イラクとシリアのタリバンを攻撃するアメリカ軍の後方支援として6カ月間の給油活動を行っていた。
写真:Markus Mainka / Shutterstock.com
(日刊サン 2021.08.23)
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