新型コロナ規制強化の可能性
州内新規感染者数が過去最多の893人
ハワイ州内の新規感染者数が今週日曜、過去最多の893人に達したことを受け、ハワイ州当局はワクチン接種済みの米国内旅行者に対するP C R事前テストプログラムの再導入を始めとした複数の新型コロナ感染拡大防止対策について話し合いを進めていると、ホノルルスターアドバイザーが報じている。
ジョシュ・グリーンハワイ州副知事は、当局は新型コロナ新規感染者の急増を注意深く監視しており「状況が悪化した場合は対策規制を変更する可能性がある」と述べた。その場合、少なくとも実施2週間前にその旨が告知されるという。副知事は、ワクチン接種済みの旅行者に対するPCR事前テストプログラム再導入が検討されている一方、再導入した場合は「法的に異議を申し立てられる可能性がある」との懸念を示した上で、「州内のワクチン接種状況はCDCが推進している標準レベルに達している」と述べた。
副知事は、今週日曜日の時点で新型コロナによる入院患者が392人と、昨年ピークの318人を上回ったことに言及し、「PCR事前テストプログラム再導入よりも、ジムやレストランなど、公共の場所に入る際のワクチンカード提示や、医療施設にさらに負担をかける可能性のある活動を減らすための夜間外出禁止令などが実施される可能性が高い状況だ」と話した。旅行要件を再び強化した場合、感染拡大の抑制になる可能性があるものの、旅行シーズンが終わりを迎える秋季において州内の観光業界に打撃を与える可能性がある。
旅行者の規制要件を管理するハワイセーフトラベルズでは、6月15日からワクチン接種済みの旅行者に対してP C R事前テストや隔離などの要件免除が実施されている。米国本土からの旅行者に対しては7月8日から同様の措置が実施されている。副知事は「ハワイの新型コロナ新規感染者の増加は、引き続き地元での感染拡大によるもの」としている。州保健省のデータでは、7月の新規感染者数の14%が旅行関連だったものの、そのうちハワイ州非居住者の旅行者に起因する感染者数は1%に留まった。
ハワイセーフトラベルズのデータによると、先週土曜日のハワイ州への到着人数は3万1,054人で、うち2万6,682人が州外からの旅行者だった。ハワイセーフトラベルズのシステムは、州のワクチン接種率が人口の7割に達するとされる9月頃に終了が予想されていたが、新規感染者が増加した現在、少なくとも年末まで実施される可能性が高いという。
ミッチ・ロスハワイ郡長は先週水曜、デービッド・イゲハワイ州知事に対し、ワクチン接種の状況に関係なく、ハワイ州に到着する訪問者と居住者のための事前テストプログラムを再開するよう要請した。郡長は知事に宛てた文書の中で次のように述べた。「州内及び米国内での新型コロナ新規感染者数は記録的な人数に達しており、医療システムや地元コミュニテイに耐え難い負担をかけている。ハワイ島の病院も患者数が収容定員に達しており、これ以上は患者を受け入れることができない状況だ」。一方、デレク・カワカミカウアイ郡長は、カウアイ島では新規感染者数は増加しているものの「他の島々が直面している医療施設の収容能力についての問題は発生していない」と語った。
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2021.08.23)
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