ハワイの公立スクールバスの深刻な運転手不足を解消するため、ジョシュ・グリーン州知事は、スクールバス以外の車両による生徒の輸送を一時的に許可する緊急宣言に署名した。
ホノルル・スター・アドバタイザーの報道によると、この緊急宣言は、少なくとも10月15日(日)までの間、13の法律の規定を一時的に停止し、大型バスやミニバス、バンなどの代替車両を州の請負業者が生徒の送迎に使用できるようにするもの。通常、スクールバスの運転手には連邦政府の承認が必要となるが、この緊急宣言によって、商用運転免許を持つ運転手であれば一時的に生徒の輸送が可能となる。
ここ数年、ハワイをはじめとする全米でスクールバスの運転手が不足しているが、その理由としては、昔からの低賃金、生徒の素行不良を含む厳しい労働条件、新型コロナの流行などが挙げられている。ハワイ州教育局(DOE)関係者によると、ハワイの公立スクールバス路線をフル稼働させるために必要な約650人の運転手のうち、200人以上が不足している状態だという。
グリーン知事は、バス不足と生徒への影響をホノルル市、カウアイ郡、州における緊急事態として宣言し、「州の他の郡でも発生する可能性がある」と述べた。
また今回の緊急宣言により、運転手不足を早急に解決するだけでなく、同問題に対する認識が高まり、より多くの地域住民がこの重要な仕事に応募するようになることも期待されている。DOEコミュニケーション・ディレクター、ナネア・カラニ氏は、州全体で就職説明会を開催する予定であるとし、「商用運転免許の試験と認定は現在はマウイ島でしか行われていないため、モロカイ島ではこの変更は採用活動に大いに役立つ」と述べている。
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写真:Shutterstock
(日刊サン 2023.8.21)