米国の長期住宅ローンの平均金利は今週、過去20年以上で最も高い水準まで上昇し、売り物件が少ないために競争が続く不動産市場において、すでに困難な状況にある住宅購入者の借入コストを押し上げている。
ホノルル・スター・アドバタイザーの報道によると、連邦住宅金融抵当公庫(通称フレディ・マック)は17日(木)、ベンチマークとなる30年住宅ローンの平均金利が先週の6.96%から7.09%に上昇したと発表した。なお、1年前の平均金利は5.13%。
フレディ・マックのチーフ・エコノミストであるサム・カーター氏は、「経済は予想以上に好調を維持しており、10年の国債利回りが上がり、住宅ローン金利の上昇を引き起こしている。需要は値ごろ感の逆風によって影響を受けているが、在庫の少なさが住宅販売停滞の根本的な原因であることに変わりはない」と述べている。
30年住宅ローンの平均金利は、わずか2.86%だった2年前の2倍以上に膨れ上がっており、2年前の超低金利は住宅販売とローン借り換えの波に拍車をかけている。当時の低金利で住宅ローンを組んだ住宅所有者は、いま住宅を買い替えれば、高金利でローンを組むことになるため、住宅売却をためらっている。
住宅供給が不足していることも、今年上半期の住宅販売が23%減少した大きな理由となっている。
なお、住宅を買い替える人に人気の15年固定金利住宅ローンの平均金利は、先週の6.34%から6.46%に上昇した。フレディ・マックによると、1年前の平均は4.55%だった。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.8.17)