マウイ島ラハイナに壊滅的な被害をもたらした大火災について、「ハワイアン・エレクトリック」社(HECO)とその子会社である「マウイ・エレクトリック」社(MECO)に過失があるとして、複数の法律事務所が少なくとも2つの訴訟を起こしているとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
ラハイナでの火災による死亡者数は、13日(日)夜の時点で96人にのぼり、今後も増えることが予想されている。なお、14日(月)午後3時30分より、グリーン州知事とマウイ郡のビッセン市長による記者会見が開かれるが、HECOも記者会見に参加する予定となっている。
このような訴訟は今後さらに増えると予想される。弁護士の中には、数年前のカリフォルニア州北部の山火事に端を発する、カリフォルニアに本社を置く電力会社「PG&E」社に対する訴訟と同じような民事訴訟を通じて、HECOに人々が受けた損失を補償させることを目指す者もいる。
ラハイナでの火災の原因は特定されていないが、1件の訴訟では、8日(火)の朝、ラハイナのHECO変電所付近で電線の落下が報告された場所で、火災が報告されたと主張している。
もう1件の訴訟では、詳細な主張は少ないが、風に飛ばされた木や枝がHECOの送電線を「予測通り」損傷し、ラハイナを破壊しクラの財産を損壊した火災を引き起こしたと主張している。
HECOは13日(日)、マウイ島での緊急対応活動を支援し、顧客と地域社会のために可能な限り迅速に電力を回復することに引き続き焦点を当てていると述べた。同日午後の時点で、同社は8日(火)から停電していたマウイ島の60%以上の電力が復旧したと報告した。また、アップカントリーとウエスト・マウイで約5000人の顧客の電力復旧に取り組んでいる。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.8.14)