ハリケーン「ドーラ」がハワイ諸島の南を通過しており、ハワイの各地で強風によるさまざまな被害が出ている。中でもマウイ島とハワイ島では、強風によって山火事が急速に広がり、懸命な消火活動が続けられている。
この状況下で、米連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、ハワイ島で発生した山火事に対する支援を行うため、ハワイ州の災害宣言申請を承認したとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
火災管理補助金プログラムに基づくこの決定により、対象となる消火活動費用の75%まで連邦政府から払い戻しを受けることができる。ハワイ州緊急事態管理局(HI-EMA)のジェームス・バロス長官は、声明で、「連邦政府のパートナーの迅速な検討と決定により、ハワイ郡がコハラ地区でこの難局に対応できるようになり、感謝している」と述べている。
HI-EMAによると、この火災は、人口500人以上のコハラランチとその周辺の約200軒の家屋に脅威を与えており、またボランティア消防隊、地元の送電線、AT&Tの携帯電話通信塔も脅かしているという。
また、8日(火)午後、マウイ島とハワイ島の山火事について、州知事の緊急事態宣言が発表された。これにより、ハワイ州兵を活動させ、影響を受けた地域の緊急対応者の支援が可能となるとともに、HI-EMA長官と緊急事態管理官による適切な行動と、救援のための州一般歳入資金の拠出が許可される。
マウイ郡のリチャード・ビッセン市長は、現在も続いているマウイ島の火災に対し、9日(火)夜、緊急事態宣言を発令した。9日(水)、マウイ島内の公立学校とカメハメハ・スクールが休校となる。
また、8日(火)深夜の時点で、ラハイナのフロント・ストリートで複数の建物火災が発生しており、複数の道路が閉鎖。煙と火災から逃れるために住民が海に飛び込み避難しており、米沿岸警備隊がラハイナ沖で約12人を救助した。マウイ郡当局はラハイナに近づかないよう警告を発している。
マウイ郡当局によると、西マウイでの911サービスは現在利用できないとのこと。緊急の場合は直接ラハイナ警察808-661-4441に電話するよう住民に呼びかけている。
一方オアフ島では、ホノルル消防署によると、8日(火)午前10時の時点で、強風に関係したと思われる倒木が8本、送電線切断が4本、屋根が飛ばされる被害が1件発生した。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.8.9)