オアフ島では、1992年から石炭による電力発電が一部で行われてきたが、州最後の石炭火力発電所であるキャンベル工業団地が9月に閉鎖される予定だ。
先週、ハワイへの最後の石炭の入荷があり、石炭供給会社であるAES社とハワイアン・エレクトリック社(HECO)の30年契約は満了となった。
これは、州のクリーンエネルギーへの移行の一環だが、その負担は市民へ跳ね返ってくるとKHON2が伝えている。
HECOは7日(日)、石炭発電の停止により、電気料金は約7%上がり、平均家庭の電気料金がおよそ15ドル増えるだろうと発表した。
HECO広報担当者のジム・ケリー氏は、「当初、各家庭の負担は、月におよそ2ドルほどとされてきましたが、ロシアのウクライナ侵攻によって原油価格が高騰しました。誰もがガソリンスタンドで価格上昇を実感していると思いますが、それは電気料金にしても同様です。原油価格が上がることで、クリーンエネルギーへの移行はよりコストのかかるものとなりますが、この移行は確実に実行されており、今後数年間、石油よりはるかに安価なクリーンエネルギー・プロジェクトがますます増えていくことでしょう」と述べている。
HECOは、再生エネルギー・プロジェクトの一部で遅れが出ていることを認めているが、これはパンデミックによるサプライチェーンの影響だという。
同社では、2024年までに9つの再生エネルギー・プロジェクトが計画されているが、電気料金が実際に下がる時期については、まだ見えていないという。
スー・ラーキンさんは、請求書の中で「エネルギー・コスト回収」の項目で、すでに金額が上がっていることに言及した。
「昨年は、この項目の1カ月平均金額は64ドルでした。でも、今年は88ドルになっています」
HECOでは、電気料金を節約する方法として、温水器や乾燥機など熱を発生させる家電製品の使用を控えたり、使用していない電気機器のスイッチを切ること、エアコンのスイッチを時々切るなどの方法を推奨している。
同社の社長兼CEO、シェリー・キムラ氏は、次のようにコメントしている。
「現在は、ハワイのエネルギーにとって、長期的な移行の重要なターニングポイントです。しかし、残念なことに、そのタイミングが、発電コストを引き起こしている世界的な出来事と重なってしまいました。物価が高騰している中、電気などの生活必需品の支払いが増えるのは、多くの家庭と事業者にとって大きな痛手であるということは承知しています。皆様に状況をご理解いただき、計画を立ててくださるようにと思っています。また、必要であれば、お支払い手段についてはご相談ください。ここのところ、原油価格の下落傾向が見られ、今後電気代も下げられるよう期待しています」
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.8.8)