医療機関でスタッフ不足が深刻
ハワイ州の医療機関では、新型コロナウィルス感染による入院患者数の急増を受けて看護スタッフの不足が深刻化している。
ハワイ州の主要な医療施設からスタッフの不足をなんとかしてほしいという緊急要請がハワイ・ヘルスケア協会へ寄せられており、この状況を重く見た連邦政府が来週から支援を送ることになったとKHONが伝えている。
クイーンズ・ヘルス・システムズでは140人の看護師と呼吸療法士の派遣を要請しているが、来週には一部の支援が到着するという。
州当局によると、ハワイの医療機関では540人の看護師が不足しているという。
ハワイ看護師協会の会長であるダニエル・ロス氏は「もし何かが起こった場合の人員の余裕が全くありません。すでに危機的状況です」と述べている。
ハワイ島のコナ・コミュニティ・ホスピタルは看護師不足をいち早く報告した医療機関だ。
看護師長のダイアン・ハレ氏は「文字通り爆発寸前です。どうやって患者のケアを運営していくのが最善なのか判断しながら、感染対策チームと緊急会議を行っています」と述べている。
連邦緊急事態管理庁(FEMA)ではハワイ州と連携しながら、看護師の派遣を行っている。
ハワイ・ヘルスケア協会の代表ヒルトン・レイテル氏によると「昨年看護師不足になったときにはおよそ140人の看護師が派遣されてきましたが、今年はその2倍から3倍の看護師の派遣を要請しています」という。
派遣される看護師は新型コロナウィルス感染患者のみの治療にあたるが、それによって余裕ができる病院の看護師がコロナ患者以外の看護に当たることができる。
ハレ氏は「病床数に余裕があっても看護師が不足すれば治療を提供することができないのです。今回の看護師派遣について本当にありがたいと思います」と述べている。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.08.06)
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