先週、カリフォルニア州からきた女性観光客がワイキキのカイマナ・ビーチで遊泳中にハワイモンクアザラシに近づいてしまったため、子供を守ろうとした母親アザラシに噛みつかれるという事件が起こった。
州国土自然資源局の調査では、女性は特にアザラシに嫌がらせなどの行為をしようとしたわけではないとの判断が下され、罰金などの処罰は受けなかったが、地元住民からは、一部の人々がアザラシの母子に近づきすぎているという声が上がっているとKHON2が伝えている。
絶滅危惧種であるハワイモンクアザラシからは少なくとも150フィート(およそ46メートル)離れるよう警告されており、ロッキーと呼ばれている母親アザラシとその子供がいる周辺には、「アザラシの邪魔をするべからず(Don’t disturb the monk seals)」という標識がいくつも立てられており、標識を見なかった、あるいは気がつかなかったという言い訳は通用しない。
また、近くにいるライフガードは、アザラシから離れるよう常に周辺の人々に声をかけている。
そのような状況にも関わらず、アザラシに近づきすぎる人々がいるという。
ラリー・アキヤマさんは、「きちんとした形で周知する必要があると思います。ルールを守っている人もいますが、いつまでこんなことがつづくのでしょう」と話す。
30日(土)、ライフガードや海洋動物保護の非営利団体「ハワイ・マリン・アニマル・レスポンス」のボランティアたちが、アザラシの周囲にロープを張って、人々を近づけないようにしたが、1組のカップルが移動することを拒否したという。
ライフガードやボランティアは、法律を守るよう伝えることはできるものの、守らせる執行力がないため、警察と国土自然資源局に通報したが、当局が現場に到着した時には、ふたりはすでに立ち去っていた。
国土資源局では、できるだけ職員がアザラシを見回るようにしているが、執行権を持つ職員がいない時にライフガードやボランティアの忠告を無視する行為は、法律に触れる可能性があると述べている。
絶滅危惧種の保護と監督をしている国立海洋大気庁(NOAA)によると、アザラシに嫌がらせなどの行為をした場合、数千ドルの罰金や懲役刑が科されるという。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.8.1)