学校で実際に乱射事件が起こる可能性がないかを調査する「校内の脆弱性評価」について、ハワイ州内にある258の公立学校のうち、2017年以降にこの調査が行われたのは140校のみだとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
州教育局(DOE)がこれまでに実施した調査によると、最もよく見られる不備は、時代遅れのドアロックやキャンパスフェンス、一貫性のない警備スタッフ配置、アナウンスシステム、脅威評価の取り組みなどで、これらは多くの公立学校で重要な見直しが必要とされているという。
DOEの脆弱性評価で最も多く見つかった上位10項目は、緊急時の行動計画、学校周囲の警備、境界フェンス、安全・防犯標識、教室やオフィスのドア、通信能力、身を隠すための「ハードコーナー」の設置、生徒の移動時間中の大人の監視、状況認識、学校風土であった。
ハワイにおける銃犯罪のデータは下記のとおり。
- 61人:銃による年間平均死亡者数
- 135人:銃による年間平均負傷者数
- 30%:銃による死亡者のうち殺人事件の割合
- 60%:銃による死亡者のうち自殺者の割合
- 50位:全米50州およびワシントンD.C.におけるハワイの銃乱射事件ランキング
- 103件:2019年に公立学校の生徒や職員が脅迫された件数
- 152件:2022年に公立学校の生徒や職員が脅迫された件数
ハワイでの銃乱射による大量殺人事件は、1999年にホノルルの「ゼロックス」社オフィスで、不満を持った従業員が半自動拳銃を発砲し、7人が死亡、1人が負傷した1件のみだ。近年ハワイで起きた学校での銃に関する事件は、1988年にアイエア高校の教師が生徒の持った銃で負傷した事件と、2014年にルーズベルト高校の生徒がナイフを振り回し警察が発砲した事件のみとなっている。
なお、全米では、今年これまでに394件もの銃乱射事件が起きている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.7.31)