ハワイ州観光局 観光客数の削減計画を承認
7月29日に行われた会議で、ハワイ州観光局はオアフ島における観光客数を削減する内容を含んだ観光管理計画を承認したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
観光客の宿泊数管理、土地利用目的や都市計画、空港利用基準の変更などにより削減を実行するとしている。
提案された「オアフ島観光管理行動計画書」は過去5カ月にわたり観光局がホノルル市や地域コミュニティ、観光業界などと協力して取りまとめたもので、観光客数制限はその中で最も重要な部分だ。
観光局計画局長であるキャロライン・アンダーソン氏は「この計画では、地域コミュニティと観光業界、そしてその他の関係者が観光を改善するために今後3年間で何をする必要があるかをまとめています。地元住民が不満を感じていると、観光客もそれを感じて、ハワイで良い体験をすることができないからです」と述べている。
同様の計画はマウイ島、カウアイ島、ハワイ島においてもすでにまとめられて承認されているが、観光の中心であるオアフ島における今回の承認は、ハワイ州の観光業そのものに大きな影響を与えることが予想される。
計画では、自然資源保護の保全責任を利用者に負わせるために「自然再生のための観光料金」を設定することで財源を確保し、人々が訪れる人気のスポットやトレイルの運営管理の強化を図り、移動手段としての観光客の車利用を制限することも挙げられている。
観光局では、環境や文化、地域社会への投資を優先する「ポジティブな影響を与える観光客」を誘致するためのマーケティングプログラムを開発して実施していきたいという。
観光局の代表であるジョン・デ・フライズ氏は「適正な観光客数とはどれだけなのかわからないが、現時点の観光客数は多すぎるというのが大半の意見です。まずは違法なバケーションレンタルを摘発することから着手します」と述べている。
先月アメリカ西海岸から訪れた観光客は521,796人で、2019年6月から15%増加しており、東海岸からの観光客は247,382人で3%増加している。
ノースショアに住むチューン・ジェームズさんは「まだアジアからの観光が再開されていないのに、すでにパンデミック前よりも観光客が増加しているように感じます。ハワイの土地は増えません。ビーチも大きくなりません。限界があるのです。それに観光客はワイキキの人混みから逃げ出して、地元住民の生活する場所にやってこようとしています」と述べて今回の計画を歓迎している。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.07.30)
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