ホノルル市議会は、不動産所有者の固定資産税の高騰を緩和する方法を模索しているが、別の理由による減税も検討中だ。それは、ゴミ埋立地の近くで暮らさなければならない人々への補償である。
ハワイ・ニュース・ナウの報道によると、市議会の提案では、PVT(建設廃棄物処分埋立地)から1マイル(約1.6キロ)以内の家の固定資産税はすべて免除されるという。
PVTのあるモヒヒ・ストリートに45年間住んでいるマヌエル・アンドゥハさんは、ニュースに対し、「とくにワイアナエ・コーストやナナクリ地区の人々にとって、減税措置は有益だと思う」と語った。
25日(火)に行われた議会予算委員会の公聴会では、アイロンワーカーズ組合でナナクリの安全擁護者であるエド・ワーナー氏もこの案を支持し、「この地域に住む人々は、圧倒され、苦しんでいる。何百台ものトラックが家の前を通り過ぎる」と述べた。
その一方、アンドリュー・カワノ市財務部長は、そのコストと前例について懸念を示し、「同じことを望む他の地域団体が出てくるだろう。下水処理場、コンビニエンス・センター、その他交通量の多い場所、粉塵が発生する可能性のある場所などだ。一度始めればきりがないのでは?」と警告している。
トミー・ウォーターズ市議会議長は、PVTの近隣住民のためだけでなく、市が現在探している新しい市営ごみ処理場の可能性を考える上でも、法案39を推進している。
ウォーターズ議長は、「ここにいる多くの人々が影響を受けるという話をするわけではないが、こういったことを受け入れてくれるという事実に対し感謝を示す意思伝達である」と説明した。
この法案が承認されても、今回の免税措置は、ほとんどの人には大きな影響を与えないかもしれない。PVT埋立地の近隣住民の多くは、ハワイ先住民にホームステッド・リースを提供する「ハワイアン・ホームランド」(DHHL)か、賃貸物件に住んでいるからだ。DHHL物件の場合、節約できるのは現在支払っている最低300ドルに過ぎない。また、不動産所有者がその節約分をテナントと分け合うかどうかは定かではない。
議会予算委員会は、この法案を存続させ、さらに調査と議論が必要であると指摘した。なおこの法案では、埋立地が閉鎖された後、数十年間は収支均衡が保たれることになっている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.7.26)