間違った犯人画像を公開 バンク・オブ・ハワイを提訴
小切手偽造と窃盗の容疑者としてバンク・オブ・ハワイが警察に提出した防犯カメラの画像が間違っており、犯人としてテレビで放送された写真の人物がバンク・オブ・ハワイを提訴しているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
2021年3月にKHONで放送されたニュース番組の「クライム・ストッパー」というコーナーの中で、小切手偽造と盗難の容疑者として画像が公開され、オンラインにも投稿された画像が実は間違っていたのだ。
その写真はサラサ・コイデ・コイルさん(39歳)のもので、バンク・オブ・ハワイの顧客だったのだが、テレビでニュースを見た友人から「あれはあなたなの?」というテキストメッセージを受け取って、自分の写真が容疑者として一般公開されていることを知ったという。
この間違いの件でバンク・オブ・ハワイからの謝罪があるまで1カ月半以上がかかり、オンラインに投稿された写真は間違いが確認された後に削除されたが、もうすでに犯人として再投稿やリツイートされて拡散されてしまっていた。
コイルさんは6月22日にホノルル地方裁判所に、バンク・オブ・ハワイの間違いのせいで、恐怖や心配を味わい、かつ屈辱を受けたとして300万ドルの損害賠償訴訟を提訴した。
コイルさんの弁護士であるアンドリュー・スチュアート氏は「ハワイは狭い社会です。彼女は日本からハワイに来て12年暮らしてきました。この間違いのせいで、彼女はみんなが自分のことを犯人だと思っているのではないかと恐怖心を抱くようになりました。彼女の評判はひどく傷ついたのです。日本人にとってとても大きな問題です」と述べている。
バンク・オブ・ハワイはこの件について、「不幸なミスだった」と述べている。
「紙幣偽造の捜査のためにホノルル市警察から防犯カメラの提供の要請がありました。警察に協力して問題の場面の防犯カメラ映像を提出したのですが、後になってそれが誤りだと判明したのです。状況が判明した後にすぐにお客様には謝罪を申し入れました。また、警察に対してもすぐに間違いを連絡して、警察側もすぐにオンラインに投稿された防犯カメラ画像を削除しました」と述べている。
「クライム・ストッパー」のコーナーを担当しているキム巡査はこのコーナーを2017年から担当しているが、このような間違いは初めてだという。
問題の偽造小切手を現金化した事件は2020年11月2日に起こっているのだが、スチュアート弁護士は「依頼人はパンデミック中にほとんど銀行に出かけておらず、バンク・オブ・ハワイの支店に出かけたのは9月1日で、日付も全く違っています。明らかに銀行側が間違ったビデオを提出しているのです」と主張している。
「依頼人はすぐに支店長に連絡を取ったのであって、銀行側から連絡を受けていません。1カ月半以上も経ってから銀行から手紙を受け取っただけです」
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.07.26)
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