ハワイ王朝が転覆した後もイオラニ宮殿の上空に掲げられていたリリウオカラニ女王の王室旗が、130年の時を経て、24日(月)にホノルルに戻ってきた。王国のシンボルである王室旗は、ブレッシングと、イオラニ宮殿からワシントンプレイスまでの儀式行列とともに返還されたとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
今回の王室旗の返還は、ハワイとその歴史に属する芸術品を持ち帰り、保存するための継続的な努力が実ったものだ。2年前に、王室旗と女王に旗の撤去を命じた歴史的文書の売却を止めるべく介入した州記録保管官のアダム・ジャンセン氏は、「これらの品々を返還するスピードと有効性を考えれば、費用は重要ではない」と語る。「公的記録や芸術品は公文書法に基づき公的文書館に帰属すると固く信じており、これらのかけがえのない遺産を取り戻すために闘い続ける」
1893年1月17日のアメリカ政府による不法な王朝転覆の後、王室旗は2日間イオラニ宮殿の上空にはためいていた。しかし、24日(月)に王室旗とともにホノルルに戻ってきた当時の文書には、いかにしてこの旗が降ろされ、カリフォルニアに渡り、2年前にニューヨークのボンハムで競売にかけようとした古美術商の手に渡ったのか、その顛末が記されている。この文書も王室旗とともに競売にかけられようとしていた。
ジャンセン氏が介入し、このオークションを阻止。その後、故アビゲイル・カワナナコア氏とデイモンエステートの相続人ブレンダン・デイモン・エシングトン氏は、合計6万ドルを支払い、王室旗と文書を返還させた。
リリウオカラニ女王は平和的に降伏し、民衆の死は避けられた。しかし、王室旗はさらに2日間、宮殿の上に残された。なぜ旗がそのまま置かれたのかは、謎のままだ。
総司令官は旗を押収するよう命じ、兵舎に運び込んだ。王室旗がハワイから持ち出された経緯の多くは謎のままだが、最終的にはカリフォルニアの司令官の子孫の手に渡り、その後古物商に売却されたという。
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