【ハワイニュース】ハワイアン・モンク・アザラシ 子アザラシに近寄ってきた女性を威嚇攻撃
2週間前、ハワイアン・モンク・アザラシのロッキーがワイキキのカイマナ・ビーチで出産をし、現在は子育ての真っ最中だ。
絶滅危惧種のアザラシ母子を守るために、アメリカ海洋大気庁(NOAA)と非営利団体「ハワイ・マリン・アニマル・レスポンス(HMAR)」が協力して監視活動を続けているが、24日(日)朝、泳いでいた母子に近寄った女性に、ロッキーが吠えて突進していくという事件が起こったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
一部の報道では、女性はロッキーに噛まれて負傷したと伝えられている。
その様子を撮影したビデオには、女性に海から上がるよう叫けぶ周囲の人々などが写されている。
撮影したのは地元住民のマーカス・フェイグルさんで、「子供を守ろうとした母アザラシと、たまたま悪い場所で悪いタイミングに居合わせてしまった人間との間に起こった出来事です。アザラシが人間を攻撃したと捉えるべきではないと思います。人間を襲ったというのは完全に間違った見方です」と述べている。
朝8時30分ごろに事件は起こった。1人の女性がアザラシの母子の近くを泳いでいたため、ロッキーが威嚇を始めた。
およそ2分後に、カヤックに乗って救助に向かった男性が、アザラシと女性の間にカヤックを置いて女性を岸まで運び、岸にいた2人の男性がビーチまで引き揚げた。
女性は救急隊によって近くの病院に搬送されている。
子育て中の母親アザラシは、特に攻撃的になると言われている。
HMARでは、「子育て中のハワイアン・モンク・アザラシは子供を守るために攻撃的になることがあり、近くを泳ぐ人間に深刻な傷を負わせる場合もあります。アザラシの母子からは少なくとも150フィート(およそ46メートル)は離れ、水中でも近づかないようにしてください。海で、遊んでいい場所なのかどうかなど質問があれば、ライフガードに尋ねてください。母親アザラシが子育てを終了するまでには、まだ数週間かかると見られています」と注意を呼びかけている。
モンク・アザラシの陸上での育児期間は、通常4週間から6週間で、その後、海へ戻るとされている。
カイマナ・ビーチにはア、ザラシに近寄らないようにという標識が立てられており、ボランティアとライフガードが、近寄ろうとする人々に注意をしている。
近くに住むステファニー・ソフォスさんは、今回の出来事に憤慨している。
「ロッキーを10年近く見てきていますが、本当に良い母親だし、普段はおとなしいアザラシです。ロッキー母子の近くを泳ぐという軽率な行動と、動物に対する敬意の欠如が問題なのです」
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.7.25)