熱帯性暴風雨カルビンは、19日(水)にハワイ諸島を通り過ぎたが、当初予想されたような混乱をもたらすことはなかったとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
ハワイ郡のミッチ・ロス郡長は19日(水)正午の記者会見で、「典型的な洪水が起こりやすい地域で軽度の洪水が起こっただけで、大きな被害の報告がなかったことを喜んでお知らせする」と述べた。ハワイ島のいくつかの地域では、木の枝が折れたり、激しい風が吹いたという報告があったものの、「大きな被害は報告されていない」とロス郡長は記者団に語っている。
19日(水)のうちに、カルビンはハワイ諸島の南の進路でその威力を失い、西に向かうにつれて弱くなり、温帯低気圧に降格した。
ハワイ島南東部は4〜6インチ(約10〜15センチ)の雨に見舞われ、パハラ・トランスファー・ステーション・ロードやウッド・バレー・ロードなどが洪水により通行止めとなった。ハワイ火山国立公園は午前11時、ほとんど被害を受けずに再開された。
州全体でも大きな被害は報告されなかったが、ジョシュ・グリーン州知事は、ハリケーン・シーズン本番はまだ来ていないため、カルビンに対する大規模な準備は価値があったと語った。「予行演習ができたのは良いことだ。ハワイ島の多くの地域はかなりの降水があったが、州全体ではそれほどでもなかった」
国立気象局の警報調整気象学者ジョン・ブラベンダー氏は、ハリケーン・シーズンのピークは8月と9月だと指摘。カルビンはシーズンよりも早く、水温がまだ低かったことが功を奏したとし、「州の東側で見られた弱まりはそのためだ。海が暖かくなれば、熱帯低気圧やハリケーンがより強くなるための熱とエネルギーが増える」と説明している。
5月、中部太平洋ハリケーンセンターは、6月から11月にかけて、太平洋のこの地域には7つのサイクロンが発生し、平年並みから平年を上回るハリケーン・シーズンになるという予測を発表している。
ハワイ緊急事態管理庁のジェームス・バロス長官は、連邦、州、郡、非営利団体が一丸となって嵐の最悪の影響に備えたと語った。「誰もが立ち上がり、準備を整えた。どの計画も実行する必要がなかったのは幸いだった。いい予行演習になった」
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.7.20)