残念なCEOと勇敢なサーバー
サンフランシスコにあるIT企業のCEO、マイケル・ロフトハウス氏は最近アメリカのソーシャルメディアで大炎上をして謝罪しなければならなくなった人物だ。
ことの発端は、独立記念日の週末にカリフォルニア州カーメルにある素敵なレストランでアジア人家族がお誕生日パーティーをしていた。
その近くのテーブルで食事をしていたロフトハウス氏は、その家族に向かって中指を突き立てて、禁止用語であるFワードやSワードとともに「アジア人はこの国から出て行け」と言ったのだ。
そこへ割り込んできたのが一人の女性サーバーで「こちらは大切なお客様よ!あなたが出て行きなさい!」と大声で怒鳴ったのだが、その一部始終がビデオに撮られて、インスタグラムに投稿された。
あっという間に世界中に拡散して、アジア人に対する侮辱的発言をした人物は特定され、ロフトハウス氏は謝罪文を発表することになった。
被害者であるアジア人家族は、「体裁のために謝っただけで、信じない。彼の本心は謝罪文の中の言葉よりも、レストランでの態度がはっきり示しているから」と、謝罪を受け入れてはいない。
一方、彼に立ち向かった勇敢なサーバーは、一躍話題の人となりテレビ番組でインタビューを受けて称賛の嵐となった。
そして彼女のためのオンライン寄付サイト「ヒーローのために大きなチップを」が立ち上げられて、日本円換算でおよそ800万円が集まっている。
可哀想なのは、問題のCEOの会社と非常によく似た名前を持った英国の会社だ。
何の関係もないのに「CEOをクビにしろ」などというメールや電話が殺到しているとアメリカ・フォックスニュースが伝えている。
(日刊サン 2020.7.10)