レッドヒル燃料貯蔵施設から燃料が漏れ出したことが原因で水道水が汚染され、オアフ島における水道の供給量が急激に減少している今、ホノルル市水道局では新しい水源を探しているとKHON2が伝えている。
およそ20年間行われていない大きな事業で、数百万ドルという巨額な費用がかかるが、関係者は、汚染の原因元であるアメリカ海軍に負担させたい考えだ。
海軍が軍関係施設に供給している水道は、レッドヒル地区から汲み上げたもので、そこから燃料が検出された直後、ホノルル市水道局は近隣にある3カ所の井戸からも汲み上げを停止した。
そのひとつはハラワ地区にある井戸で、ホノルルの都市部を中心に、1日あたり1,000万ガロンの水道水を供給している最も大きな水脈だ。
このハラワ水脈を含めた3カ所が閉鎖されたことで、ホノルル市は1日あたり1,400万ガロンの水道水の供給を失っているが、これらの井戸を再び利用できるかどうかは不明だという。
水道局水質管理官であるアーウィン・カワタ氏は、「今の時点では、この水脈をまた利用できるかどうかわかりません。代わりの供給元となる新しい水源の調査を始めることが極めて重要だと考えています」と述べている。
水道局では、井戸の試掘場所として5カ所を挙げている。
停止している3カ所の井戸と同じ水源だと、そこも燃料に汚染されている恐れがあるのではという件についてカワタ氏は、これら5カ所は同じ水源を持つが、燃料汚染発生場所から遠く離れており、さらに丘の高い場所にあるために汚染の可能性はないという。
「試掘の目的は、これらの井戸が、求めている水質と水量を供給できるかどうかを確認することです。供給できるという結果が得られれば、本格的な稼働に向けて進むことになります」
通常、水脈調査を始めてから実際の供給が始まるまでに、1カ所につき7年ほどかかるが、今回の計画では2年を目標にしており、それぞれに約600万ドルの費用が必要となる。
カワタ氏は、「掘削費用は、将来的に海軍に負担してもらうことを考えています」と述べている。
それまでの間、オアフ島の住民は今の水道量で生活していかなければならない。
水道局では、夏の間、各家庭で10%の節水を呼びかけているが、この状況は長引くかもしれないという。
カワタ氏は、「これから先どれだけの節水が必要か、この夏、検証することになるでしょう。今後2〜3年、あるいは4年間は節水生活が続く可能性があります」と述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.7.7)