【世界のこぼれ話】トランスジェンダー女性がスケートボード大会で優勝 ニューヨーク市
生物学的男性は生物学的女性よりも身体的優位にあるのではないかという論争が高まっている中、ニューヨーク市で開催されたスケートボード競技会「ザ・ボーダー・オープン」の女子部門でトランスジェンダー女性のリッチ・トレス選手が優勝し、賞金500ドルを獲得したとフォックス・ニュースが伝えている。
2位になったのはサイロ・カトリさん(13歳)。最終審査まで残った6人の参加選手のうち4人は17歳未満で、最も若い選手は日本人の飯倉樹里選手(10歳)だったが、トレス選手は29歳で参加者の中で最年長だった。
トレス選手は、トランスジェンダー女性で、3人の子の父親でもあり、以前はアメリカ軍に従事していたという経歴も持っている。
現在、トランスジェンダー女性としてホルモン治療は行っているものの、医学的な性転換手術はしていない。
昨年、ウィメンズ・ストリートUSAスケートボード全国選手権に出場しようとした際に、テストステロンがICOの規定値より高かったことから出場を拒否されている。
トレス選手は試合後に、「私が叩かれるのはおかしいと思います。人は『お前は小さな子供、小さな少女たちを打ち負かした』と非難しますが、そういうつもりはありませんでした。この大会は私が優勝した初めての大会です。年齢は関係ありません」と述べている。
肉体的に他の女性選手と比べて優位なのではないかという問題については、「スケートボードは、肉体的というよりも、精神力とスキルが重要な要素です」と答えている。
「私を見ればわかるでしょう。特に他の人と違うわけじゃない。スケートボードは身体能力とは関係ないと思います。特に(スケートボードで活躍している)今どきの子供たちを見たらわかるでしょう」
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.7.1)
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