ホノルル港に係留されている象徴的な船、フォールズ・オブ・クライド号は、まもなく歴史的建造物指定を失うこととなった。
ハワイ・ニュース・ナウによると、州運輸局は、28日(水)に発表した声明で、この船の撤去と停泊しているピア7の再開発を促進するために、この船をハワイ歴史登録財から除外することを明らかにした。
当局は今回の登録抹消について、フォールズ・オブ・クライド号の社会的地位を反映したものではなく、このランドマークを15年間不活発なままにしているお役所仕事を取り除くためのものだとしている。
この船を所有する非営利団体「フレンズ・オブ・クライド号友の会(Friends of the Fall of Clyde)」のブルース・マッキューアン会長は、この流れに対抗することはできないとしながらも、「もし州がこの船を撤去する提案を出した場合、解体や破壊につながると思われるものには異議を唱えるつもりだ」と述べている。
州港湾局は、老朽化した船が港を塞ぎ、ハリケーンの際に安全上の危険をもたらすことを懸念し、船の撤去を望んでいるが、歴史保存団体は、そのような主張は根拠がないと反発している。
マッキューアン氏によると、当局が船の安全性について公言し、2016年に州がこの船を押収したことで、現存する世界で最後の4本マストのフルリッジ船を保存するための資金集めに支障をきたしたという。
1878年に建造されたフォールズ・オブ・クライド号は、現存する最後の帆走石油タンカーである。少なくとも350万ドルかかると推定される履行保証金を非営利団体が確保できないことを理由に、州は、この船を建造地のスコットランドに移すという非営利団体の提案を撤回した。
しかし擁護者たちは、船が引き揚げられ、後世のために復元されることに希望を持ち続けている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.29)