ハワイ先住民の50%以上がハワイ州外で暮らしているほど、ハワイで生きていくことはますます困難になっている。しかし、より良い生活を求めて島を離れた人々もハワイのコミュニティの一員であり、島にいる人々と同じような恩恵や援助を受けるべきかどうかについて、熱い議論が巻き起こっているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
今年、ラスベガスで開催されたネイティブ・ハワイアン向上協議会(Council for Native Hawaiian Advancement;CNHA)主催の西部地域ネイティブ・ハワイアン会議(Western Regional Native Hawaiian Conference)には2000人近くが参加したが、60%以上がアメリカ本土の36州から集まったという。
また、CNHAが2024年にシアトルでの開催を視野に入れているのもそのためであり、今後2~3年のうちにロサンゼルスで支援活動やサービスを提供し、他の都市もそれに続くよう規模を拡大する計画を立てている。
2021年の米国国勢調査のアメリカン・コミュニティ調査によると、ハワイ諸島に住むハワイ先住民の数は30万9807人であるのに対し、本土に住むハワイ先住民の推計は37万546人となっている。
CNHAのCEOであるクヒオ・ルイス氏によると、ハワイ先住民は現在ハワイの人口のわずか18%を占めるに過ぎず、ハワイと本土の間で分断されているという。ハワイは先住民が島を離れるたびにその文化の一部を失うが、同時に、島外に住むハワイ先住民は、自分たちの文化や価値観、アイデンティティを守ろうと奮闘しているという。
現在、ハワイ州やカメハメハ・スクールなど、州内で活動を行う団体はあるが、州外も含めたハワイアン・コミュニティ全体を代表するような仕組みはない。しかし、CNHAと西部地域ネイティブ・ハワイアン会議で生まれているのは、全国的な仲介者の声だという。ルイス氏は、「CNHAにはハワイ先住民の多い州で存在感を示す将来があり、私たちはすでに、おそらく2年以内にロサンゼルスに拠点を開こうと話している」と述べている。
同氏によると、CNHAの展望には、労働力、ビジネス、文化開発プログラムから融資プログラムまで、あらゆるものが含まれており、ハワイ州外に住む先住民が富を築き、いつかハワイに帰ってこられるように支援することを目標にしているという。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.26)