6月22日(水)、アメリカ 食品医薬品局(FDA)は、電子タバコ「JUUL」に対してアメリカ市場からの撤退を命令したとKHON2が伝えている。
「JUUL」が10代の青少年による電子タバコ使用急増の原因とされていることが理由だ。
製品から発生したベイパー(蒸気)を吸う行為のため、アメリカでは一般にベイピング(vaping)と呼ばれている。
電子タバコ市場は60億ドルと言われているが、長年にわたって規制が行われてこなかった。
未成年による電子タバコ使用が急増しており、保護者やタバコ反対論者からは禁止を求める声が上がっているが、その一方で、支援者からは通常のタバコの喫煙を削減することができると反論が出ていた。
FDAは昨日の発表で、「『JUUL』は未成年のベイピングの増加を助長してきており、公衆の安全を保護するという面から見て、同社の製品は適正とは言えない」と述べている。
「JUUL」は電子タバコ業界の最大手のひとつで、ベストセラーブランドだ。
電子タバコが誕生したのは10年以上前で、当時は喫煙者に対してより健康被害の少ない代替品として広がった。
しかし、その後の研究では、電子タバコの利用が喫煙者を禁煙に導くという結果は出ていない。
2018年に「JUUL」が高ニコチンの「フルーツ味」の発売を開始してから、中学生や高校生の間で大流行となり、コンサートやインフルエンサーの開催するパーティーでJUUL製品を無料で配布したことなど、適正でないマーケティング手法をとったことで捜査が入ったこともある。
2019年、同社は全ての広告活動を停止し、「フルーツ味」「デザート味」の販売を停止した。
2020年には、FDAによって、電子タバコは「タバコ味」と「メンソール味」の2種類に限定され、連邦議会がタバコとベイピングの購入を21歳以上に引き上げた。
当局は、R.J.レイノルズ社や、ロジック社などの「タバコ味」の電子タバコに対しては許可している。
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.6.23)
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