ワイキキでホームレスを見かけることが多くなった。
3月10日に行われた調査では、ホノルル東部におけるホームレスの増加がオアフ島内で最も著しいという。
ワイキキ地区自治会のメンバーであるメリッサ・フィレク氏は、ワイキキの朝は糞尿の臭いで耐えられない状況で、毎朝市職員が歩道を水で洗浄しなければならないほどだと述べている。
14日午前10時30分ごろ、カリフォルニア州から訪れていた母娘がポリネシアン文化センターへ行くバスを路上で待っていたところ、精神疾患のあるホームレスの女性が10歳の少女の顔をいきなり殴り、髪の毛を掴み、母親にも暴行を加えるという事件も起きている。
ホノルル東部における路上生活者の増加は、チャイナタウン地区で行われているCOREプログラムと関連があるかもしれないという。
チャイナタウンのホームレスの数は、昨年からおよそ75%減少したと言われている。
クライシス・アウトリーチ・レスポンス・アンド・エンゲージメント(Crisis
Outreach Response and Engagement:CORE)は直訳すると「危機支援対応及び取り組み」だが、これはホノルル市が始めた新しいホームレス対策で、昨年10月に発足した、911(緊急通報)で緊急性の低いホームレス関連の案件を取り扱うための専用部署だ。
COREチームには救急医療テクニシャンが2名、プログラムマネージャー1名、ケースワーカー2名、地域のヘルスワーカー2名が所属しており、路上生活者に対する様々な対応を行なっている。
アメリカン救済計画法のもとで、年間200万ドルの資金を連邦政府から受け取ることになっている。
暴力が関与していないホームレス関連の911通報件数が多い中、ホノルル警察や救急隊の限られた人員を有効に活用するために、担当するケースワーカーなどを派遣して対応するために設立された。
911通報を受け取った司令室の担当者が状況を聞き、その緊急性から警官を派遣するかCOREを派遣するかを判断するが、COREチームメンバーの安全のために警官が同行することもある。
ホノルル市の緊急医療サービス局長であるジム・アイルランド氏は現在、COREチームと共に現場で活動をしている。
COREチームは、救急車2台とともに午前8時から午後4時まで毎日地域を回っているが、今後24時間体制を目指しているという。
当初はチャイナタウン地区を対象に活動していたが、ワイキキ地区の路上生活者が増加していることから、そちらでも活動を開始しているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
現在およそ150人を支援しているが、その90%はワイキキとチャイナタウンだ。
アイルランド局長によると、シェルターでは100床以上のベッドと、精神疾患と認知症の患者用ベッドも必要だという。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.6.20)