スイスの山間部にある小さな村で、大規模な崖崩れによって大量の土砂が山の斜面を滑り落ちたが、集落のすぐそばで止まり、無傷だったとフォックスニュースが伝えている。
スイス南東部グラウブエンデン地方にあるブリエンツ村では、約6700万立方フィートの巨大な岩盤が崩落し、村を破壊する危険性にさらされていた。地質学者は5月12日(金)、アルプスの岩が崩れて村に迫る恐れがあると警告し、住民が避難した。地元当局によると、ここ数日、斜面の岩盤の動きが加速していたという。
そんな中、15日(木)夜11時から真夜中にかけて、岩塊の多くがブリエンツ村に向かって転がり落ちた。しかし、岩崩れは村のすぐそばで止まり、学校の建物の前に「数メートルの堆積物」を残したが、村への被害は出なかった。
大きな危機は免れたものの、当局は、いつ避難を打ち切ることができるのか、まだ明言することができない状態だ。しかし、恒久的な帰還の可能性は非常に高いという。地元議会の責任者であるダニエル・アルベルタン氏は、「村に戻り、そこで生活や仕事を続けられるだけの安全性を確保するためには、さらなる評価を行う必要がある」としている。
なお、この岩盤崩落は、ブリエンツの住民が、避難後初めて村に戻り、家から必要なものを取り出すことを許可されてから、1週間余りで発生した。1世帯あたり2人だけが90分の帰宅を許されていた。
避難の際、住民はリスクレベルに応じて時々戻ることができるが、宿泊はできないとされていた。標高約3800フィート(約1158メートル)に位置するこの村には100人弱が住んでいる。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.19)