ソーシャルメディアで人気となっている飲み物がある。

バルサミコ酢と炭酸水で作られ、「ヘルシーでコークのような味」がすると人気になっているが、歯科医と栄養士はそれほどヘルシーではないと注意を促しているとフォックス・ニュースが伝えている。

ピラテスのインストラクターに教えてもらったレシピだと、6月6日にこのドリンクをTikTokに投稿したのはアマンダ・ジョーンズさんだ。

「普通の炭酸飲料の代わりに飲める健康的な代用品よ。冗談で言っているんじゃないわ。本当にコーラのような味がするのよ」

ビデオ内でジョーンズさんは、グアバ味のスパークリングウォーターにバルサミコ酢を入れているが、炭酸水ならどの味でもかまわないという。

この動画は既に640万回も再生されており、多くの人が別のレシピを投稿し始めているほど人気となっている。

このドリンクの味見をする様子も多くの人によって投稿されているが、味については賛否両論のようだ。

ジョーンズさんによると、バルサミコ酢の量はショットグラスの半分くらいで、たくさん入れすぎると苦くなるという。

イタリア系アメリカ人の人気セレブシェフ、ジアーダ・パメラ・デ・ラウレンティスさんもこのドリンクが気に入ったようだが、歯科医と栄養士は、酢と炭酸水の組み合わせに潜在的な危険があると警鐘を鳴らしている。

カリフォルニア州ビバリーヒルズの歯科医ロンダ・カラショー氏は、酢の酸性度の高さが問題だという。

「虫歯の原因は、口の中のバクテリアによって作り出された酸性環境が炭水化物と糖質を分解することです。通常の炭酸飲料や炭酸そのものは酸性なので、もし酢と炭酸水を一緒に飲めば、口の中はさらに酸性の環境となります。口の中が酸性になればなるほど、歯のエナメル質は弱まり、汚れ、虫歯、浸食が起こりやすくなります」

カラショー医師は、口の中のPHレベルのバランスを保つために、アルカリ性水を飲むことを推奨している。

また、ニュージャージー州に住む管理栄養士のパトリシア・コレサ氏は、多量の酢を飲むことは胃を刺激する可能性があると述べている。

「酢を飲む時には、酢の酸性度に注意が必要だと思います。水を飲む目的は水分補給なので、特に酢を飲む必要はありません」

管理栄養士のミシェル・ローチ氏は、酢がどれだけ薄められているかが問題だという。

「酢は炭酸水で薄められていても酸性度が高いものです。酸性の飲料を継続して飲むと、食道や上部消化器官に炎症を起こす恐れがあります。酢と炭酸水を混ぜたものは、胃に問題がある人は飲むべきではありません。誰かがヘルシーだと言ったからといって、それが正しいとは限りません。ソーシャルメディアに投稿された一般人からの意見を聞くより、専門家に相談することをお勧めします」

食品栄養学の博士であるシャマラ・ビシュヌモハン氏は、「一本にスプーン7.75杯分の糖分が含まれている缶ジュースより、ヘルシーな代用品を飲みたいという気持ちが理解できないわけではありません。しかし、コーラの代用品を飲むのではなく、本物のコーラを飲む量を徐々に減らしていって、ソーダ類を飲まないようにすることが理想です」と述べている。