ホノルル市議会でも州議会でも、政治家の収賄汚職スキャンダルが続いている中、どのようにしたら状況は改善されるのか?
ひとつの方法として、議員の任期に制限を設定することが挙げられる。
現在、上院と下院とともに、州議員の任期に上限は設定されていない。
6月15日(水曜日)に開催された州の政治倫理委員会では、任期の上限を10年もしくは12年にした場合に、州政治にどのような影響が出ることが考えられるかについて議論が行われたとKHON2が伝えている。
委員の1人、バーバラ・マルモト氏は、「任期を設定することでこれまでの状況を改善できると考えるようになりました」と述べている。
任期が設定されれば、州内の政治の世界に新しい人材が加わることになる。
元州上院議員であるギャリー・ホーサー氏は、「権力を持つ地位にある人間は、それを維持しようとするものです。現在そのような地位にある人々に対して不敬な意味で言っているのではありませんが、必ずしも彼らがその地位にある人間としてベストで、彼ら以上の人材がいないということではありません。政治家としての地位を維持するためには、非常に有能でなければなりません。しかし、長期間その地位に居座り、財力を持っているということによって、新しい人材が議員になれないのが現状です」と述べている。
ホノルル市議会でも、任期についての案が検討されている。
市議会議員、市の検察官、市長の任期を合計8年とするという法案が3件提出されている。
現在、市のこれらの職位は、4年任期を連続2期務めることが可能で、その後いったん離職して、再び立候補することもできる。
検察官の任期は、2020年に設定されており、設定前にはピーター・カーライル氏は14年間、最近問題となったキース・カネシロ氏は17年間も務めていた。
ハワイ・パシフィック大学でコミュニケーション学を教えているジョン・ハート教授は、「政治家の任期に上限を設定するのは良いアイデアだと思いますが、その結果は、現実に大きな問題をはらむ可能性があります。ハワイのようにひとつの党が上下両院を支配している場合、議員同士が互いに地位を交換し合うことができます。例えば、誰かが任期満了になると、別の地位へ移っていくということです。そうなると、新しい人材が入って活性化するという想定どおりにいかなくなります」と述べている。
「でも、投票者にできることはあります。簡単には問題は解決しないかもしれませんが、1期以上やってもらいたくない候補者には投票しない、という方法があるのです」
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.6.16)