警官3人の起訴が確定 16歳少年射殺事件で
ハワイ州の法執行機関が歴史上前例のない動きを見せている。
ホノルル検察局のスティーブン・S・アルム検察官は、今年4月5日にフィリップ・ストリート近隣で発生したイレマンダー・シカップ(16)の射殺事件に関し、現場にいた警官3人を殺人と殺人容疑で起訴した。起訴はオアフ大陪審の審議を通過し、確定された。オアフ大陪審は先週、1回目の起訴を却下。これを受けてアルム検察官は15日、地方裁判所に2回目の起訴状を提出していた。
アルム検察官はニュースリリースで「検察局は、警官、捜査官、容疑者、目撃者らによって作成された1,300ページを超える報告書を再検討した。また、ボディーカメラのビデオ、剖検報告、現場周辺の監視カメラの映像、写真、各警官の強制力使用記録、911及び警察無線の記録なども総括した」と述べた。
ハワイ州警察官組合は、つい先週、大陪審が下した起訴却下の決定から一転、審議を通過し起訴が確定したことに驚きを隠せない様子だ。ホノルル警察署のレイド・K・ヴァニック署長代理は「市民で構成される大陪審が、検察官が警察官に対して行った起訴の却下を決定した直後にそれを覆す決定をしたことに大変驚いている。非常に稀であり、前例のない状況だ」と述べた。
起訴が確定した警官3人は警察権を剥奪され、今後は事務を担当する。起訴された警官らが判決で有罪になった場合、うち2人は仮釈放ありの終身刑を課される可能性もある。一方、アルム検察官は検察局のニュースリリースで「起訴された警官3人は、有罪が証明されない限りは推定無実だ」と述べている。また、地方裁判所は3人に対し、6月25日に出廷するよう召喚状を提示した。3人の初出廷で行われる予定の予備審問では、ボディカメラの映像などの証拠が公開される。これらの証拠は予備審問後に一般に公開される可能性がある。
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2021.06.16)
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