ポーランドのバルト海沿岸にはヘルという街があり、666番バスで行くことができたが、これが廃止になったとAP通信が伝えている。
町名であるヘル(Hel)は、英語の「hell(地獄)」と発音が似ており、また666はキリスト教において悪魔を意味する数字でもあるため、ヘル行きの666番バスは長きにわたり旅行者から親しまれていた。
しかし、一部のキリスト教保守派が抗議を行ったことから、地元のバス会社「PKSグディニア」は今週、ヘル行き666番の廃止を発表した。同路線は、24日(土)より、最後の番号を反転させた669番で運行することになったという。
地元のニュースメディアによると、この路線は2006年から666番で運行しており、最初は地元のジョークとして広まり、その後ポーランド国内外から旅行者が集まってきたという。中には、666番のバスでヘルまで行ったと言うだけのために、乗車しに来る人もいたという。
カトリック系の出版社である「フロンダ」は、666番バスには悪魔的なニュアンスがあり、「永遠の天罰という現実を少しでも面白いと思わせるのは、単なる愚かさだ」として、長年にわたり名称変更を求めてきた。また、ポーランドのジャーナリストの多くが、カトリック教徒でさえもこのジョークを喜んでいることを嘆いていた。
バス会社は、抗議を行ったキリスト教団体の圧力を受けて路線番号を変更したが、この変更に対する一般市民の反発を受け、古い番号に戻すことをすでに検討しているという。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.15)