ミエニさん射殺事件 現場の新たな映像公開
今年4月、ホノルルのヌアヌ地区の住宅街で警官に射殺されたリンダニ・ミエニさん(29)の遺族の弁護士が、現場で警官が身につけていたボディカメラの新たな映像を公開した。ジェイムズ・J・ビッカートン弁護士が6月15日に公開した映像には、ヌアヌ地区コエーリョ・ウェイの住宅のインターホンの映像及び未編集のボディカメラの映像が含まれている。
4月14日午後8時7分に始まる映像には、コエーリョウェイで別の車の後ろを運転しているミエニさんの車が映っている。ビッカートン弁護士は、ミエニさんは住宅街の近くにあるISKCON寺院に行こうとしていたようだと語った。ミエニさんは、教会や寺院のような場所で身につける伝統的なズールー教の儀式用ヘッドバンドを着用していた。南アフリカ人であるミエニさんが住宅に入る前に靴を脱いでいた際、住人の女性がミエニさんを発見した。
その約40秒後、ミエニさんは家を出てドアの前に立ち、女性が警察に電話をかけているのが聞こえる。ビデオはミエニが外に立っている状態で停止しているが、ビッカートン弁護士はミエニさんが家の中に戻り、約3分間そこにいたと話した。また、映像ではミエニさんが「何が問題なのですか」と言っているのが聞こえる。通報した女性は「あなたは誰ですか?」と尋ねた。女性が‘警察に「ミエニさんが外に出ようとしている」と言った後、ミエニさんは靴を履き、女性の方を振り返って「すみません」と言っている。その後、ミエニさんは警官に「今すぐ地面に着きなさい」と命令されている。しかしミエニさんは警官の方に向かって歩き続け、警官を殴り始める。この争いで、警官3人が負傷し、1人が顔面および頭部の負傷で入院した。ミエニさんはこの争いの間に撃たれて亡くなった。
元連邦捜査官のトミー・アイウ氏は「遺族の弁護士から新たに提供された映像は、事件当時に何が起こったのかについての貴重な洞察を提供する」と述べた。また、警官がミエニさんにどのように身元を明かしたかについて、公開された映像では、発砲後に「警察」とだけ言っているようにも聞こえる。一方、アイウ氏は「彼らが警官かどうかは、他の方法で識別可能だ。警官は現場に到着した際、制服を着用し、バッジを身につけているという事実で身元が識別される。警官は容疑者に地面に伏せるよう命令するなど、合法的に命令することもできることを忘れてはならない」と述べた。
(日刊サン 2021.06.15)
シェアする