【世界のこぼれ話】FDAが新しい脱毛症治療薬「オルミアント(Olumiant)」を承認
アメリカ食品医薬品局(FDA)は6月14日(火曜日)、重度の円形脱毛症の成人患者に対する治療薬として「オルミアント(Olumiant)」という経口錠剤を承認したとフォックス・ニュースが伝えている。
これは脱毛症に対する最初の承認薬となった。
FDAの研究所の皮膚科担当ディレクターであるケンダル・マーカス博士は書面で、「重度の脱毛症に冒されている多くのアメリカ人にとって、安全で効果的な治療オプションができたことは非常に大きなことです。今回の承認は、多くの患者のニーズを満たすことになります」と述べている。
一般に円形脱毛症と呼ばれる疾患は、体が自分自身の毛包を攻撃した時に発症する自己免疫疾患であり、全身いたる部分で脱毛を引き起こす可能性がある。
アメリカ皮膚科学会によると、発症に年齢は関係なく、子供や10代で発症することも多いという。
一口に円形脱毛症と言っても、頭部全体の脱毛症や全身の脱毛症など、いくつか種類があるが、米国内で毎年30万人以上が発症しているとされ、多くは頭部の小さな部分的脱毛から始まる。
今回承認された治療薬を開発したのは、イーライ・リリー社だ。
頭髪の50%以上を失った重度の脱毛症患者の半年以上にわたる治験の結果、36週間で、頭部の80%に発毛する結果が得られたという。
主な副作用は、気道上部感染症、頭痛、ニキビ、コレステロール増加、倦怠感、吐き気、体重増加などだ。
また、この治療薬は、中度から重度のリューマチ治療にも効果があると考えられている。
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.6.14)
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