少年を射殺した警官3人の起訴を却下 オアフ大陪審、異例の判断
今年4月、イレマンダー・シカップさん(16)が盗難車を運転中、警察官に射殺された事件について、オアフ大陪審は現場にいた3人の警察官の起訴を却下した。シカップさんは後頭部と肩を撃たれて死亡した。
ホノルル市検察庁は6月9日午後発表した声明の中で、3人の警官の起訴を求める証拠をオアフ大陪審に提出したことを認めた。検察官のスティーブ・アルム氏は「警官がティーンエイジャーを狙撃したことについて『正当化できない』と結論付け3人の起訴に踏み切った。ハワイで法に携わってきた50年近くの間、検察官が大陪審に訴訟を起こし、大陪審が起訴を却下したという話は聞いたことがない」と述べた。
5月のニュース・リリースでアルム氏は次のように述べていた。
「銃撃が正当な理由の下で行われたと判断した場合は記者会見を開き、結論に至るすべての証拠及び法的根拠を発表する。一方、合理性を超えた不当な犯罪であると判断した場合、法執行官が警察官を起訴する」
遺族の弁護を担当するエリック・セイズ弁護士は、「検察局が狙撃した警官を大陪審に起訴したことを知らなかった。検察局を含めた市の機関はいかなる意見や協力についても我々と連絡を取り合っていない」と述べた。セイズ弁護士は「どのような経緯でこの結論に達したのかが分からない」とし、大陪審に議事録と筆記録の提示を要求した。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.06.10)
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