ホノルル市議会は7日(水)、バーやナイトクラブなど危険度の高い場所にオピオイドの過剰摂取を抑えるためのナロキソンの点鼻薬「ナルカン」の設置を義務付ける法案を、全会一致で可決した。
ホノルル・スター・アドバタイザーによると、タイラー・ドス・サントス・タム議員が提出した法案28「ナロキソンに関する法案」は、21日(水)に住宅持続可能性及び健康委員会に戻され、7月12日(水)には市議会本会議で可決される可能性があるという。
ハワイ・ヘルス&ハームリダクション・センター(HHHRC)のエグゼクティブ・ディレクターであるヘザー・ラスク氏によると、すでにHHHRCは州保健局と連携し、5万回分のナロキソンを用意しており、地域社会に配布する準備ができているという。「この法案について、各機関への負担が懸念されていることは承知しているが、HHHRCのような地域パートナーは、無料トレーニングの提供、現場へのナロキソンの配布、準備にかかるあらゆる作業について意欲的であり、実行が可能だ」と同氏は述べている。
現在、HHHRCのウェブサイトから、ナロキソンの投与に関する無料のトレーニングや、ナロキソン点鼻薬の商品名であるナルカンが2回分入った無料の通販用ナロキソンキットを申し込むことができる。また、ラスク氏によると、ホノルルのナイトクラブ「スカーレット・ホノルル」が、すでにナロキソンの服用量を調剤する自動販売機の導入を約束しているという。
この法案の公聴会は、フェンタニルの過剰摂取が原因と見られる、2人が死亡、3人が入院したワイキキのホテルでの事件の3日後に行われた。ラスク氏は、「週末にアウトリガーで起こったことを多くの人が嘆いているが、あの場にナロキソンがあることで、結果が変わっていたかどうかはわからない」としつつ、「同時に、バーやナイトクラブにナロキソンを設置することで、この島の人々の命が救わることもわかっている」と述べた。
ホノルル救急隊長のジム・アイルランド医師は、「ナルカンは、最小限の訓練を受けた一般人でも簡単に使用でき、無害だ」と述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.8)