ワイキキを含めたホノルル東部では、路上生活者の急激な増加が見られ、オアフ島の他のどの地域よりも大きな増加率だとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
州とホノルル市では、ホームレス・サービスと手頃な価格の住居を提供しようと取り組みを続けているという。
オアフ島での、路上あるいはシェルターでホームレスを経験した人の数は、全体としては横ばい状態で、2019年からは微減している。
ところが、ホノルル東部だけを見ると、路上生活者の数は、2019年比では10%の増加、2020年と比べると6%増の575人で、オアフ島全体の路上生活者の24%が東部に暮らしていることになる。
カリヒ、ヌウアヌを含むダウンタウン地区で暮らす路上生活者は全体の26%を占めており、オアフ島で最も大きい数値だが、2019年と比べるとほとんど変わらず、2020年比では6%減少している。
今回の調査結果から、路上生活者がダウンタウン地区から東部へと移動していることは明らかで、ホームレスが増えることによる犯罪の増加や街の景観が観光に与える影響も大きいことから、自治体や観光業関係者は、非営利団体とともにホームレス問題への取り組みを強化する必要に迫られている。
ホノルル市では、新しいホームレス対策として、市の救急医療サービス局内にクライシス・アウトリーチ・レスポンス・アンド・エンゲージメント(Crisis Outreach Response and Engagement:CORE)という部署を設立している。
直訳すると「危機支援対応及び取り組み」だが、この部署は、非暴力のホームレスに関する緊急通報に出動する特別チームで、現在はダウンタウン地区を中心に活動している。
市では、この夏からこのCOREをワイキキ地区に拡大する計画があるという。
救急医療サービス局長のジム・アイルランド氏は、ワイキキへの活動拡大について「次の大きな一歩」になるとコメントしている。
ワイキキ地区の事業者で形成している団体の代表を務めているジェニファー・ナカヤマ氏は、COREのワイキキへの進出に合わせて、団体としても見回りに参加したいという。
ワイキキ選出のエイドリアン・タム州下院議員は、ワイキキ住民は大きな不満を抱えていると述べ、ホノルル市議会議長のトミー・ウォルター氏は、ワイキキのタウンホール・ミーティングで半分以上の時間がホームレス問題に費やされていると話している。
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写真:Theodore Trimmer / Shutterstock.com
(日刊サン 2022.6.6)