4日(日)朝、アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートの一室で薬物の過剰摂取と見られる事件があり、男性が死亡、他4人が病院に搬送されたとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
事件の詳細を知る関係者は、フェンタニル使用が原因である可能性が高いと見ているという。ホノルル救急医療サービス(EMS)によると、午前6時30分にワイキキのカリアロードにある同ホテルで5人の患者に関する通報があり、救急隊員と警官が駆けつけ、成人男性の死亡を確認した。救急隊員はまた、重体の男性2人と重症の女性2人を治療し、病院へ搬送した。
アウトリガーの広報担当モニカ・サルター氏は、事件は現在捜査中で、同ホテルは当局と協力していると述べた。なお、ホテルのプライバシーポリシーにより、被害者に関する詳細は公表されていない。
フェンタニルをはじめとする合成オピオイドは、近年、米国がこれまでに経験したことのないほど致命的な過剰摂取の危機を引き起こしている。2020年以降、薬物の過剰摂取による死亡者は全米で年間10万人以上にのぼり、その約3分の2はフェンタニルに関連している。これは、クラック・コカインが蔓延していた1988年の10倍以上の薬物死亡者数である。
フェンタニルの多くはメキシコから米国に流入し、コカイン、ヘロイン、メタンフェタミン、偽造オキシコドン錠など、他の薬物に混ぜられている。一部の使用者は、それを期待しているが、中には自分がフェンタニルを服用していると知らない者もいる。
フェンタニルはたった2ミリグラムの摂取で死に至る可能性があり、1グラム(ペーパークリップとほぼ同じ重さ)には500回分の致死量が含まれていることになる。
全米の議員たちは、フェンタニルを含む医薬品を検査する材料の合法化や、過剰摂取の特効薬であるナロキソンの配布などの対策を採用するとともに、厳しい罰則で取り締まろうとしている。フェンタニル検査用ストリップを非犯罪化する上院法案671は、今期ハワイ州議会で可決され、4月18日(日)にジョシュ・グリーン州知事に送付された。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.5)