過激なことで知られるイギリスのスポーツイベント、ビッグチーズが帰ってきた。29日(月)、イギリス南西部のグロスター近郊で、このレースに参加するために何十人もの命知らずのレーサーが集い、その勇姿を見るために何百人という観客が集まったとAP通信が伝えている。
このレースは、クーパーズヒルというほぼ垂直に近い急斜面で、車輪のような7ポンド(約3.2キロ)のダブルグロスターチーズを追いかけるというもの。チーズの後方で最初にゴールした人が、チーズを手に入れることができる。
チーズ転がしレースは、少なくとも1826年から、ロンドンから西に約100マイル離れたクーパーズヒルで開催されているが、チーズ転がしというスポーツはもっと古くからあったと考えられている。
このレースは、非常に危険なことでも知られている。200ヤード(約183メートル)の急な坂道をずっと立って下りられる選手はほとんどおらず、今年も何人かが足を引きずりながらコースから助け出された。
カナダのブリティッシュコロンビア州ナナイモ出身の出場者、デラニー・アーヴィング選手(19)は、一時的に意識を失ったものの、女子のレースで優勝した。アーヴィング選手は、「頭を打ったことだけは覚えていて、今はチーズがある」と語った。
イギリス北西部マンチェスター出身のマット・クローラ選手(28歳)は、数種類ある男子のレースのうち最初のレースで優勝した。どのような準備をしたかと聞かれた彼は、記者団にこう答えた。「トレーニングなんてできないだろうね。もしやるとしたら、それはただのバカだよ」。
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