昨日、5月30日のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)には、アメリカ各地で記念式典が行われたが、マウイ島にある退役軍人墓地でも数百人が集まり、亡くなった英雄たちに追悼の意を表したとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
新型コロナ感染対策のために、2019年を最後に行われていなかった式典が、3年ぶりに開催されたという。
マウイ島のマカワオにある墓地では、祖国のために戦い、亡くなった人々を追悼するため、およそ3,300本のアメリカ国旗がそれぞれの墓碑に立てられ、記念式典にはおよそ200人が参列したという。
参列者の1人ガブリエル・ラオさんは、「痛みがなくなったわけではありません。演奏を聴いていると涙が流れてきました」と述べている。
弟のイライジャ・J・ラオ軍曹は、2009年にアフガニスタンへ出兵して、現地で亡くなっている。26歳だった。
「メモリアルデーは、私たち家族にとって、日常生活から離れ、国のために犠牲となった軍人に心からの感謝を捧げる機会です。多くの皆さんにとって名前も知らない軍人たちですが、それぞれの墓碑に葬られている人々には家族がいるのです」
ドール・アリカヨスさんは、「ここに眠っている人々は私たちのために命を捧げてくれました」と述べている。
アリカヨスさんの夫は、ベトナムで6年間戦った際に、アメリカ軍がベトナム南部に散布した、いわゆる「枯葉剤」にさらされて、その後亡くなったという。
「今手にしている自由は、ただ単に与えられたものではないということです。誰かがこの自由を守るために戦い、大切なものを犠牲にしてくれたからこそ、今があるのです」
ベトナム戦争からおよそ50年が経つが、前線で戦ったボー・マホエさんは、「志願してベトナムのジャングルで戦いました。私の部隊では、所属する14人の兵士が現地で亡くなりました。メモリアルデーには、彼らのことを思い出します」と述べている。
朝鮮戦争で戦った92歳の元軍人ロバート・サイキさんは言う。
「フリーダム(自由)は決してフリー(無償)ではありません。自由のために命をかけて戦った全ての軍人たちを讃えるべきなのです」
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.5.31)