連邦緊急事態管理庁(FEMA)は24日(水)、オアフ島の新しい緊急放送スタジオを公開したが、ハワイの人々がこのスタジオを使う必要がないことを望んでいるとKHON2が伝えている。
このスタジオは、面積は小さいが、戦車のような頑丈な造りになっている。ハリケーンや津波などの自然災害が起こる前はもちろん、災害発生中や事後にも放送を続けられるように設計されており、人為的な大災害にも耐えられるようになっている。
スタジオはすでに稼働しており、現在、ハワイから約4000マイル離れたグアムの復興活動を支援するための情報を中継している。
FEMA国家公共警報システムプロジェクトマネージャーのマニー・センテノ氏は、「高高度電磁パルス(EMP)にも耐えられるように設計されており、また、化学、生物、放射性物質、核兵器にも対応している」と述べている。
FEMAによると、この放送局の第一の使命は、あらゆる種類の緊急事態において、大統領が国民とコミュニケーションをとるための機能を提供することにあるという。第二に、他の通信手段が影響を受けた際でも、州および地方当局者が利用できる重要な通信ライフラインとしての役割がある。
電気も水もなく、携帯電話も固定電話もなく、空港は閉鎖され、航路も遮断されたハワイでは、一般市民への情報提供が大きな鍵を握る。「住民は、食料、水、子どものオムツ、おばあちゃんのインシュリンなど、どこで手に入れられるかを教えてくれる人が必要だ。最も重要なことは、自分は大丈夫だという安心感を得ることにある。それがこの放送スタジオの役割だ」と、センテノ氏は語る。
スタジオには、災害時には2人のオペレーターが2カ月間快適に過ごせるだけの燃料と食料が用意されている。センテノ氏は、「長時間の運用が必要になる。このスタジオはシェルターであり、一角に仮眠ができる場所がある。折り畳み式ベッドの下には衛生設備もある」と説明する。
関係者によると、奇しくもこの施設の開設は、グアムでハリケーンの後処理が行われている絶好のタイミングと重なった。現在、このスタジオを経由し、アメリカ本土からの信号や通信をグアムやアメリカ領サモアに届けている。
なお、ハワイで災害や有事が起こった際には、AM1500で緊急放送を聞くことができる。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.5.25)