現在建設中のホノルル高速鉄道は、当初の日程及び予算を大きく超過しており、いまだに開業のメドが立っていない状況だ。

2012年に始まったホノルル鉄道プロジェクトの当初予算は52億ドルだったが、発表のたびに超過となり、その後83億ドルと更新され、今年に入ってホノルル高速交通公社（HART）が91億ドルとしていたが、現在、市当局は113億ドルを見込んでいるという。

HARTでは、現時点で予想を超える予算超過のために計画通りに鉄道プロジェクトを完成させることができない状態で、連邦公共交通局からの補助金を受け取るためには、実現可能な復旧計画案を6月30日までに同局へ提出しなければならない。

ホノルル市議会の担当委員会では、5月24日（火曜日）に行われた会合で、その計画案として、鉄道ルートの短縮と、パール・ハイランズに建設予定だった駐車場の保留の審議を行い、この案を進めていくことを了承したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。

予定されていた20マイルを18.75マイルに短縮し、終点をアラモアナ・センターではなく、ハレカウウィラ・ストリートとサウス・ストリートの交差点に「シビック・センター駅」として建設される予定の駅とする計画だ。

駅数は当初の21駅から19駅となり、予算は113億ドルから99.3億ドルまで縮小することができるという。

また、パール・ハイランズに建設を計画していた1,600台収容の駐車場にかかる予算は3億3,000万ドル、1台分あたり20万ドル（およそ2,500万円）かかることになっていたが、これは保留とされる。

HARTのCEOであるロリ・カヒキナ氏は、この駐車場の代替案として、ハワイ大学のリーワード・コミュニティー・カレッジかパール・ハイランズ・ショッピング・センターのオーナーであるアレクサンダー・アンド・ボールドウィン社と連携して駐車場の確保を模索していると述べたが、これに対し、ハワイ大学は、駐車場による交通渋滞の懸念を示している。

アレクサンダー・アンド・ボールドウィン社とは、詳細についての話し合いはまだだという。

会合に出席したリック・ブランジャルディ市長は、「鉄道はアラモアナまで行くべきだ、駐車場は作るべきだという意見があることは承知しています。でも、問題は予算がどれだけあるのかということです。どれだけ鉄道に資金を投入するのかということです」と述べている。

この復旧案は、今後市議会に提出され、審議および決議を経て、連邦公共交通局に提出されることになっている。