猛威を振るう超大型台風マワールがグアムに接近する中、バイデン大統領は緊急事態宣言を承認した。この20年間で米国太平洋領土を襲った最も強力な嵐になる可能性があるため、住宅がコンクリートではない人に対し安全を確保するよう促し、したがって緊急避難所が埋まり始めているとAP通信が伝えている。
ルー・レオン・ゲレロ知事はソーシャルメディアで、この緊急事態宣言はグアムへの資源動員を支援するものであり、「グアムは米国本土から遠く離れていることから特に重要である」と述べている。グアムには人口15万人以上が住んでいるが、ゲレロ知事は沿岸部や低地、洪水の起こりやすい地域の住民は、高台に避難するよう命じている。
嵐の外側の帯から降る雨がすでに領土に降り注いでいるため、国立気象庁は、嵐がカテゴリー4の「スーパー台風」(最大持続風速150マイル/240キロ以上)に格上げされたことを発表した。気象庁によると、嵐の中心はグアムの南東約140マイル(225キロ)にあり、北北西に移動しているという。
気象庁は、暴風雨が強まり、グアムでは風、豪雨、生命を脅かす嵐という「三重の脅威」になると警告している。気象庁によると、嵐は24日(水)の正午ごろ(米国本土では23日の夕方)にグアム南部を襲う可能性がある。グアムは国際日付変更線の西側に位置し、米国本土やハワイより1日進んでいる。なお、フィリピンのマニラは西に1600マイル離れている。
グアム・ティヤンの気象庁主任気象予報士であるパトリック・ドール氏は、グアムが直撃を受けなかったとしても、非常に接近することになるだろうと述べている。また、台風は時速5マイルで移動しているが、目の幅が17マイル(約27キロ)もあるため、台風の中心では3時間以上穏やかな状態となり、最悪の事態は終わったと早合点する可能性があると指摘。台風の目が離れると、数分で風速150メートルに達する可能性があるため、政府からの指示があるまで避難しておく必要があると警告している。
地元ニュースのパシフィック・デイリー・ニュースは、22日(月)に島の食料品店やハードウェア店で、人々がショッピングカートに缶詰や水のケース、発電機を満載して帰る様子を伝えている。
なお、気象庁によると、台風シーズンは、北太平洋西部で7月1日から12月15日までと言われている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.5.23)