ハワイのホテル業界が瀕死の状態である。
旅行調査会社STRが5月20日に発表したレポートでは、ハワイのホテルの占有率が8.9%に急落し、前年同時期から88.6%減少した。
ハワイの観光業は州全体の総生産GDPの17%を占めており、このホテル業界の数字はハワイ経済がいかに打撃を受けたかを示すものである。
3月26日に14日間の自己検疫命令が発表されて以来、約130軒のホテルが既に閉鎖されているが、検疫は6月30日まで延長の予定だ。
ホテル業界コンサルタントのキース・ビエラ氏は「観光がすぐにも再開されなければ、閉鎖するホテルはもっと出てくる」と述べた。
「多くの人はもっと早く観光再開できると思っていたが、数カ月かかるかもしれない。自己検疫が6月末まで行われれば、5月6月は4月同様に悪くなる。8%の稼働率では、営業している方が閉鎖しているより金銭的マイナスになる」
ハワイで長年ホテル経営に携わっているジェリー・ギブソン氏は「一部のホテルは既に財政難に直面している」と述べた。
ギブソン氏によると「州がもっと早く観光再開をしてくれることを望んでいる。これからの15日間で、検疫解除の後のホテル再開のために準備することができる。それでも、観光業がすぐに元に戻ることはなく、全てのホテルがすぐに再開できるわけでもない。従業員もすぐに全員職場に戻れることはないだろう。予想としては、最初は15%から25%の稼働率で動き、クリスマス時期に45%から50%の稼働率になればラッキーだ。2021年の第3四半期までは55%から65%に上がるとは思わない」
しかし、再開が決定しない今の状況では、ハワイの観光業は回復し始めることさえできず、観光が再開されなければハワイの経済は再生しない。
ハワイ下院議員であるワード議員とマクダーモット議員は、「旅行のためにハワイを安全に」という23ページにわたる計画書を提出した。
新型コロナウィルスの感染の第2波を防止しつつ観光業を再開するには感染テストが有効だと述べている。
ワード議員によると、ハワイに来る訪問客に事前検査を受けるように奨励し、陰性結果を得た訪問者は検疫を免除するというものだ。
連邦航空局および運輸省による規制では、感染テストを訪問客に要求することは違法ではないと判断された。
事前検査を受けていなくてもハワイへ訪問することは可能だが、その場合には14日間の検疫を強制することになる。
マクダーモット議員は、「地域の安全を守ることも大事だが、同様に市民が収入を得ることも大事だ」と述べた。
ワード議員によると「感染テストは100%安全ではないかもしれないが、リスクを軽減しながら経済を再生させていく有効な解決方法だ」
(日刊サン 2020.5.21)