科学者たちは宇宙飛行士が月から地球に持ち帰った土で植物を栽培することに成功した、とフォックスニュースが伝えている。
フロリダ大学の研究者グループは、月面の土で何かを育てることができるかどうか研究を重ねていたが、今回初めて栽培に成功したという。
今後の月面探索に向けて、食物栽培の可能性についてさらに研究を重ねる予定だという。
フロリダ大学のアンナ・リサ・ポール教授は、「(植え付けてから)2日間経って、出芽し始めたのです。どれだけ驚いたことか。6日目までは通常の栽培と同じように育ちました」と述べている。
アポロ11号でニール・アームストロング船長らが月面から地球に持ち帰った土に植えられたのは、「シロイヌナズナ」という植物の種だ。
全て発芽したが、1週間経たないうちに成長が止まり、最終的には枯れてしまったという。
月面の土は、宇宙線や太陽風などを浴び続けており、植物の発育に大きな影響を及ぼすと見られている。
月の土壌は、非常に微小な隕石の衝突で発生した小さなガラス状の成分がほとんどで、これらはアポロ11号の船体にも、乗組員の宇宙服にも付着していた。
アポロ宇宙飛行士6人が地球に持ち帰った月面の石と土は、800ポンド(およそ363キロ)余りだが、そのほとんどは厳重に保管されている。
フロリダ大学の研究チームは、そのうちの12グラムを昨年提供されて、研究を行っていた。
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.5.17)
シェアする